竜の国のユタ1巻
三軒目でようやく発見。もう信用できる本屋はTSUTAYAだけだよ……。
既に絶滅寸前というか入荷数が少ない模様。二巻の壁を越えられるか。
恐竜と人間が共存する絵面がバイストン・ウェルぽっくてよいのですが、国産でファンタジー色が強いものは受けないのでのっけから心配です。随所に練りこまれた壮大っぽい裏設定を消化できるのか。
所先生はその道の専門家も納得させる細かい描写に定評がありますが(暴走族とか)、パキケファロサウルスのツノ飾りの磨耗で竜年齢を表現してたり芸が細かい。ヤンキー漫画よりこっちが地なのか。
恐竜だけでなく背景もかなり拘っている感じがします。冒頭の路傍に花が咲いてるし。中生代は恐竜だけでなく植物も爆発的進化を遂げた時代でもあります。それまで搾取される一方だった植物も他の生物を利用するようになり、果実や花で動物をひきつけ利用する被子植物が登場し、風媒頼りで回転の悪い裸子植物を駆逐していった。巨木の葉を食料にしていたブラキオサウルスが姿を消したのはそのためだともいわれてます。背景の植物も背が低くなってますね。
主人公の乗るパキケファロサウルスがイチョウの木に頭突きしてギンナンを落として食べる描写がありますが、このイチョウは数少ない裸子植物の生き残りで、現在に至ってもまるで姿を変えてないそうです。恐竜から志摩子さんまで幅広く愛されるギンナン。悠久の時を超えて茶碗蒸にされてると思うと気が重い。
あんまり裸子植物に生き残られても花粉症で人類は大弱りだったかもしれません。花に感謝。
一つ気になるのは、恐竜の絵が小奇麗過ぎて恐竜より武丸サンのほうが怖いこと。
また恐竜が主役とはいえ、やはり人間キャラによる群像劇が欲しいです。
舞乙のようにネタとして『特攻の拓』からキャラやネーミングを引っ張って欲しいですね。アモウとか悪魔の鉄槌とか。手段を選んでいると弱肉強食のチャンピオンを生き延びることは難しい。
- 所 十三
- 白亜紀恐竜奇譚竜の国のユタ 1 (1)