まだ予断を許さないが、少しだけ回復した旧友が、
病室の窓から飛行機を見つけた。


海外での撮影仕事を旧友と駆け回ったので、
飛行機の会話になり 旧友が、言った
「アンカレッジ経由って
 ノスタルジックですよね」にホッコリした。

筆者は、旧友がアシスタントを
してくれていた時代(写真家時代)に
日本航空 も 全日空 も外資系航空会社にも
搭乗していたのだが、
現在、日系エアラインにてヨーロッパの
主要都市に飛ぶ場合…

スターアライアンスの全日空は、南回りで、
途中イスタンブールに降りて給油をする。
ワンワールドの日本航空は、北回りで、
羽田から ロシア上空は飛べない現状な為
アンカレッジ空港の上空を飛び〜北極を飛び
約15時間のロングフライトにて
パリやロンドンやフランクフルトに到着する。
そこまでのロングフライトな為
偏西風が強烈な冬などには、万一の場合だけ
アンカレッジ空港に降りて給油できるという
保険を持ち飛んでいる…
しかし…よほどのことが、無い限り
アンカレッジ空港に給油に降りることは、
ないと言う。

「もし今、搭乗するならどちらにしますか?」
旧友に聞かれた筆者は、即答で
「アンカレッジ経由だな、降りなくてもね」
 と言うと 旧友は、
「アンカレッジ経由ってノスタルジックですよね」

筆者「花先生と青江さんのあの写真って
 アンカレッジ空港だったよね?」
旧友「そうです」


青江三奈さんが、大スターだった時代
今からおよそ53年ほど前の写真だ。
筆者は、小学生だった時代である。
2000年に癌により余命宣告され
別居中だった花氏に電話をして
自宅での看護を頼んだ青江さん。
大スターの宿命とも言える有名税で、 
事実と異なる報道をされていたが、
実は、1970年代に挙式を挙げていて
既にご夫婦だったおふたりだったのだ。


(当時の芸能事情から籍は入れず内密に)
そんな おふたりが、仲睦まじく
パリ旅行に飛ぶ途中で、トランジットの
アンカレッジ空港で、お茶をしている写真だ。




生前の花 礼二氏から2004年にこの時の
アンカレッジ空港での話しをお聞きたが、
確かに古き良き時代で、
ノスタルジックを感じでしまうのである。