不況のあおりを受けてか、ファミリーレストランが軒並み売上を落としているようだ。
「ロイヤル・ホスト」では、既存店の売上が30ヶ月連続で下がっているとのこと。
(TV東京 ワールドビジネスサテライト 4月8日放送より)
同番組によれば、各企業は「低価格への移行」や「店舗毎の独自メニュー」等を模索しているとのこと。
本当にそれで良いのだろうか?
ファミリーレストランに限って言えば必ずしも価格や店舗毎の地域性等へ未対応だけではないと考えている。
ファミリーレストランが、本来の存在意義を見失い
「ただの手頃な食堂」
に成り下がった結果だ。
「外食王の飢え」(城山三郎)の内容がどれだけ真実かは判らないが、嘗てのファミリーレストラン「ロイヤル・ホスト」には、「アメリカを持ってくる(言葉は正確ではないが同意義)」と言った明確なコンセプトが有った。そして、マリリンモンローも食べたと言う「オニオングラタンスープ」。
「ロイヤル・ホスト」だけでなく、「デニーズ」も元々がアメリカ企業であり、アメリカでは普通である「eggs any style(確か20種類を超える卵の調理方法)」が有った。
日本ではないような一種独特の雰囲気があり、(良いか悪いかは別にして)アメリカナイズされたもてなしが有った。
1,000円から2,000円で味わえるアメリカだった。
「ジョナサン」や「サンデーズサン」もそうだった。
また、「サイゼリア」は低価格で有るが、本格的なイタリア料理が有った(嘗ては、コースも有った)。
翻って、現在はどうか?
「デニーズ」は卵料理の種類を減らし、どのレストランも不味くて高いラーメンや、「マグロ丼」と言ったメニューが出てきて、通路には餓鬼共が走り回り、その親は上下ジャージで高笑いのおしゃべり。
「サイゼリア」などは、価格が安いことも有り夜はいかれた若い連中の溜り場と化している。
そして、ほぼ全員の携帯の声 「今、何してるぅ?」
「ジョナサン」の某都内下町の店舗では、シートが破れ放題。
個人的には、嘗て「ロイヤル・ホスト」にドリンク・バーが置かれたとき、「「ロイヤル・ホスト」もこれまでか!」と思ったことが有る。
(そういえば、恐らく同経営の「ロイネット・ホテル」のサービスも、「所詮この程度」っていう印象を持った)
こんな所へ、安く無い金を払って価格に見合わない料理を食べに誰が行こうか?
一方、自らの存在意義を明確にしている店、例えば「幸楽苑」は確実に伸び、また多少高くてもその雰囲気等を大事にしている店は確実に人が入っているのだ。
いまこそ、ファミリーレストランはその存在意義を見直すときではないだろうか?