本日の予定は、マドリッド ⇒ エル・エスコリアル修道院(マドリッドから北西へ45㎞) ⇒ ティッセン・ボルネミッサ美術館だ。

 エル・エスコリアル修道院へは、マドリッドのMoncloa駅からバスで1時間ほどで行ける。電車でも行けるが、修道院へはエル・エスコリアルの鉄道駅から30分ほど歩く。バス停からだと徒歩10分ほどで修道院に近い。バスは現金払い(または交通系カード)で、クレジットカードがそのまま使える同じEU諸国のオランダやベルギーより遅れている。マドリッド市内の交通系カードは距離が長いので使えない。

 

 正面の山裾にエル・エスコリアル修道院の壮大な建物が見えてきた。

 

 まだ修道院は開いていないので少し周囲を散策する。

 

 お昼はこの辺りで食べることにしようかな。

 

 

 

 

 

 左下に写っている人が蟻のように見え、修道院の巨大さが分かる。完成は1584年、幅161m、奥行き206mある。装飾がほとんどなく左右対称の幾何学的な設計で、エレラ様式という様式の建築物である。

 

 

 

 

 

 入場時間が迫ってきたので列に並ぶ。

 

 

 

 

『図書館』

 この図書館は当初、多くの天文機器や古代遺物で飾られていたという。写真左下に写っているのは、1582年フィレンツェのフェルディナンド・デ・メディチ枢機卿からフェリペ2世に贈られた天球儀で、天動説を表現したものだ。

 

『カール5世』(神聖ローマ皇帝、スペイン国王カルロス1世、1500年~1558年)

 敬虔なカトリック教徒でキリスト教帝国の理念を信じた。嫡子フェリペ2世にスペイン帝国、弟のフェルディナントに神聖ローマ帝国を譲った。

 

『フェリペ2世』(スペイン国王、1527年~1598年)

 カール5世の息子。スペイン帝国の最盛期、黄金時代の絶対君主。フィリピン諸島はこの人の名前からとられた。

 

 

 美しい豪華な写本が陳列されている。5世紀~18世紀の書物が納められているという。書架の本は気づかれた人もいるかもしれないが、肖像画の写真をよく見ると分かるが保護のためか、すべて背表紙は反対を向いて納められていてタイトルが読めない。

 

 

 

『フェリペ3世』(スペイン王、1578年~1621年)

 

『カルロス2世』(スペイン王、1661年~1700年)

 フェリペ4世(スペイン王)の息子で、ハプスブルグ家最後のスペイン王となった。ハプスブルグ家の何代にもわたる近親婚のため虚弱、先天性の病を抱えていたといわれる。心身ともに異常で性的不能だったともいわれ、早くからハプスブルグ家の血筋が絶えると思われていた。

 当時フランスのルイ14世は、領土の拡張政策をとっていて、ネーデルランド継承戦争、仏蘭戦争、大同盟戦争などたびたび戦争を引き起こしていたがあまり成果をあげていなかった。

 そこでルイ14世は早くから姻戚関係にあるスペイン王位に目をつけていた。ルイ14世はフェリペ3世の娘アンヌの子であり、王妃はカルロス2世の異母姉マリア・テレサだった。

 カルロス2世の死後、スペイン王家の継承者を巡って、ヨーロッパ中を巻き込んだスペイン継承戦争(1701年~1714年)が勃発し、最終的にルイ14世の孫のフェリペ5世がスペイン王家を継承した。現在もこのブルボン朝の王家が続いている。

 

 ちょっと長くなったので今日はここまで。