『ピカソ美術館』

 ピカソ美術館というと、世界に10ヶ所ほどあるらしいが、パリの『国立ピカソ美術館』、バルセロナのこの『ピカソ美術館』、ピカソの生家の近くにあるマラガの『ピカソ美術館』が有名である。 

 マラガのは他に比べると新しいので、私がマラガに行ったときにはまだなかった。

 バルセロナのピカソ美術館は狭い路地に面しているのでいったいどんな建物か全容を写真に撮るのは難しい。中世の廻船問屋の邸宅を美術館にしている。写真はその中庭。

 

『ジャクリーヌ像』

 ピカソは愛人が10人いたとか7人いたとかいうが、芸術的に影響を与えたのは5人だ。

オルガ・コクロバ(最初の奥さん)⇒ マリー・テレーズ ⇒ ドラ・マール ⇒ フランソワ・ジロー ⇒ ジャクリーヌ・ロック(二度目の奥さん。ピカソの最後を看取った。)。最初の奥さん、オルガが離婚してくれなかったので、結婚は2回しかしていないとか? 

 

 目は目で、鼻は鼻、口は口でそれぞれ存在していて、それを横から描いたり正面から描いたり、それをつなぎ合わせるとこんな顔になる。ほんまかいな?

 

『鳩』

 どこかマチス風だがピカソの絵だった。鳩は牛とともにピカソの好きな生物だった。

 

 プラド美術館にある『ラスメニーニャス』(宮廷の女官たち)にインスパイされて描かれた連作。

 

 

 マルガレーテ王女もこんな感じになる。

 

 これもマルガレーテ王女。隣の小さな絵は女官だ。

 

 元の絵は知っている人も多いと思うがこういう絵だ。プラド美術館はいまはオーバーツーリズムのせいで写真撮影が禁止になっているが、昔は撮影できた。これは今回どうしても衝動に耐えられず監視員に叱られながらも撮ってしまった写真だ。この絵の解説をすると長くなるので、後のプラド美術館に行ったときのブログで書くとしよう。可愛らしいマルガレーテ王女と隣の王女に話しかける美人の女官にぜひ会ってみたかったな~。

 

 話をピカソ美術館に戻すと、この美術館の見ものはラスメニーニャスの連作とピカソのごく初期、少年期の作品だ。

 

『乱れ髪の自画像』(15歳)

 

『ペパ伯母さん』(15歳)

 

『初聖体拝受』(16歳)

 16歳ですでにこの境地に達しているとは、ピカソがいかに早熟だったかがわかる。

 

『科学と慈愛』(16歳)

 「私は子供の頃から児童画というものを描いたことがない」とピカソは言ったとか。確かにそうだ。

 

 セザンヌの『静物』かと思ったらピカソだった。

 

『寄る辺なき人々』

 青の時代の無名、不遇の時の作品だ。貧しく、虐げられた人々に寄せる共感が溢れている。

 

『(踊り子)ラ・ナナ』

 いろんな絵を自由奔放、縦横無尽に描くねぇ~。

 

 こちらは意味深な『期待』。

 

『スペイン衣裳の女』

 点描法で描かれたとても美しい絵だ。必ずしも描きかけとはいえない。完成品だといっていい。

 

『ペネデッタ・カルナス像』

 少し斜めから撮っているのは正面からだと照明の光に画面が反射するからだ。

 

『アルルカン』

 ピカソはサーカスの芸人や道化を好んで描いた時代があった。これもどこか貧しき人々、虐げられた人々への共感だったと思う。

 

 

次はカタルーニャ音楽堂へオペラを聴きに行く。