有島武郎著『或る女』

 早月葉子は作家の木部と恋愛結婚したが、結婚生活は破綻しシアトル滞在中の木村と結婚するために船で向かうのだが、船の事務長・倉地と恋に落ちる。シアトルで木村に会うも失望しそのまま船で帰国し妻子持ちの倉地と生活を共にするようになる。強烈な自我をもち自由奔放に生きる葉子は、やがて破滅へと突き進んでいく。

 もちろん有島は私の大好きなアンナ・カレーニナを読んでいたのだが、『或る女』はその影響を思わせるようなところもあり、個性的な力強い女性が描かれているのは日本の小説としては珍しいのではないだろうか。有島は婦人公論の人妻の女性記者と軽井沢の別荘で心中をとげたのは、何かこの小説と通じるようなところもあり不思議な気がするのは私だけだろうか。
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