ピアノという楽器はベートーヴェンの頃にほぼ完成したという。チェンバロのような引っ掛ける音と違い、ハンマーで叩くことにより音の強弱を出すことができるようになって、その表現の幅が遥かに広がった。ベートーヴェンのピアノソナタは明らかに強弱を意識して作曲されている。この曲はその最たるものだと思う。演奏は鍵盤の獅子王と呼ばれたヴィルヘルム・バックハウスの演奏から「熱情」の第3楽章を聴いていただこう。