「サグラダ・ファミリア贖罪聖堂」
通りの狭間から教会の塔が見えてくる。忽然と見えてきたので、おお!という感じで慌ててシャッターを切った。

屹立する尖塔は12使徒を表すという。建設を始めて100年以上経つが、いまだに8本しか建っていない。

聖堂の定礎式は1882年、聖ヨセフの日(3月19日)に行われた。初めはピリャールというバルセロナ建築学校の教授の設計だったが、建築主側と設計者の意見が合わずピリャールは辞任し、翌年後任にガウディが就任した。

「受難のファサード」
西側に位置するファサードであり、簡素な現代彫刻が配されている。

「生誕のファサード」
東側に位置するファサードで西側とは対照的ないかにもガウディ的世界観で彫刻されている。最初にできたファサードだがこれが正面だと思われがちだが、そうではない。



完成するとこんな感じになるらしい。南側の正面に「栄光のファサード」というのができるらしいが、まったく手がつけられていないといってよい。おそらく「栄光のファサード」は私の生きているうちには完成しそうにない。

ジョージ・オーウェル「カタロニア讃歌」とその他の著作
「カタロニア讃歌」は平明、明晰な文体でスペイン内乱に従軍した際のオーウェルのルポルタージュで、オーウェルのジャーナリスト、ヒューマニストとしての面目躍如としたものがある。オーウェルを現代的な史上初のジャーナリストと呼んでいいのではないだろうか。
初めの部分では塹壕戦が描かれているが、後半はバルセロナの銃撃戦と反ファシストグループの内部闘争が描かれている。やがて宣伝活動、権謀術数により共産主義者が支配力を増していく。オーウェルが義勇軍として参加していたグループが非合法化され、逮捕、投獄される恐れがでてきたためスペインを脱出する。
「カタロニア讃歌」にはサグラダ・ファミリアについて書いているところがある。
「モダーンな聖堂で、世にも恐ろしい建物である。銃眼模様の、葡萄酒の瓶をさかさにしたような形の尖塔が四つある。バルセロナの他の教会と違って、革命の時にも破壊されなかった。・・・・・アナーキスト軍は、尖塔と尖塔のあいだに、赤と黒の旗を吊るしただけで、その建物をこわせばこわせるのに、こわさなかっとは、趣味の悪いところを見せたものである」
1937年当時、いま8本ある塔はまだ塔は4本しか建っていなかったことと、オーウェルがサグラダ・ファミリアをまるで評価していなかったことがわかる。
「1984年」や「動物農場」は面白い小説だがまったく救いはない。ソ連とスターリンを意識して書かれたものだが、苛烈な監視社会を描いたSF小説、寓話として読め、今読んでも遜色ないものだ。

これでスペインはお仕舞い。
