「ツヴィンガー宮殿」の「アルテ・マイスター絵画館」
私が面白いと思った作品の幾つかを挙げます。絵に興味のない人はスルーしてください。
昔の「フラウエン教会」の絵、広場のイメージは現在とは違いますが観光をした後、今の教会のある風景とを比べると面白いですね。
「まどろみのヴィーナス」
ジョルジョーネとガイドブックにはありますがプレートに“Giorgione und Titian”とありティツィアーノと共作ということでしょうか?いずれにしてもベネチア派の二人は作風がとてもよく似ています。実物でしかわかりませんが案外薄塗りの絵です。
素晴らしい静物画、静物画はシャルダンが有名ですがそれに勝るとも劣りません。ワイングラスや金属光沢、テーブルクロスなどいずれも質感、量感を余すところなく表現しています。写真みたいという人もいるでしょうが私には絵にしか見えません!
ご存知フェルメールの「手紙を読む少女」、かなり小さな絵でここだけが切り取られた異次元空間のようです。というか素晴らしい絵はみんなそんな印象を与えるものです。手前のカーテンから奥の女性に自然と視線が移動、収斂していきます。のぞき見をしているようなちょと罪悪感さえ感じるような気持ちになる不思議な作品。
プレートの写真を撮ったのですが暗くてピンボケ。作者の名前は分かりません。
写実的な絵で難しいのは透明なガラスだと思うのですがお盆の水の入ったコップの向こうを見てください。光が屈折してズレているでしょ、素晴らしいと思いませんか。
ガラスのケースがあり、変色を防ぐためか覆いが掛けられていたのですが、くるくるめくって見るようになっていました。確か教科書か何か、あるいは別の歴史の本で見たような気がしますが、自分の持っている本の中にはありませんでした。ルーカス・クラナッハの「マルティン・ルター」の肖像画。15cm角位の手のひらサイズで、驚嘆するようなテクニックの絵です。
以前紹介したこともあるファン・エイクの祭壇画、神の眼を持つともいわれ、油絵技法を確立したともいわれています。左の天使の羽は虹のように羽の色が変化、グラデーションをなし、描き分けてあります。前にも書いたと思いますが実物を見るのと画集で見るのとの一番の違いは私は大きさだと思っています。色彩だと思っている人が多いのではないでしょうか。画集に確かにサイズは書かれているのですが、やはり実感できないのですね。予備知識なしでこの祭壇画はどれくらいの大きさだと思います?中央部は1m×1.5mですか、2m×3mですか、50cm×75cmですか。画集によると21.5cm×27.5cmなんですよ。非常に小さい。その中に絨毯の柄まで細密に描かれ、左パネルの天使の羽もそうですが、右パネルの聖カテリーナの髪の表現も繊細を極め、驚愕の逸品です。
レンブラント「居酒屋の放蕩息子」
こんなに大きな絵なんですよ。画集ではピンとこないでしょ。幸福そうなレンブラントと妻のサスキア。愛妻家だったレンブラントの最も幸福な時期のものだとも思われます。サスキアは息子のティトスを残し30歳で亡くなっています。ティトスも27歳でレンブラントより早く亡くなっています。レンブラントはたくさんの自画像を残していますが、暗闇の中から浮かび上がるレンブラントの肖像はまるでこちらが見られれているのではないかと思われるほどの存在感をもって迫ってきますが、きっと人生でそういう辛酸を舐めたがゆえに描かねばならなかった、そのゆえにたどり着いた表現なのではないでしょうか。
今日は「パウル・クレー展」がもうじき終わってしまうと思って行ってきましたが、平日にもかかわらずとても混雑していました。それだけでイライラしてきました。私は抽象絵画を否定するものではありませんが、琴線を打つものはひとつもありませんでした。常設展示の古賀春江の「海」が一番気に入りました。他に安井曾太郎や岸田劉生の素晴らしい絵がありますのでクレーにこだわらず行く価値のある必見の美術館です。
ワシントン・ナショナルギャラリー展も空いた頃に行くつもりでいるのですが先が思いやられます。ワシントン・ナショナルギャリーの作品では本当は二級の印象派よりゴヤが見たい。