少し前ですが、ラグジュアリー雑誌「リシェス」に瀬戸内の魅力について記事を書かせていただきました。



瀬戸内が好きになり過ぎてたくさん原稿を書いてしまい載せきれなかったのでこちらに掲載しますね。


福島と瀬戸内のテーマになると最近筆が止まらない気がする。笑。




長年慣れ親しんだ東京から広島にお嫁に来て6年。市内の中心地の便利の良い場所に住んでいながらもバルコニーからは宮島をはじめ牧歌的な島々を臨む瀬戸内海を眺めることができる環境がとても気に入っています。
何故か夜景はホノルルのタンタラスの丘の上の街からの景色と似ているんです。宮島の弥山がダイアモンドヘッドのように見えることも。
平和のシンボルとなった広島の街には多国籍の方々がたくさん訪れ、人気のプロ野球にサッカー、交響楽団などを市で抱えているというファミリー感。(広島三大自慢らしい)
船やフェリーなどで気軽に行ける魅力的な島々、また瀬戸内アートなど一流に触れる機会がごく身近にあり、美食と活気に溢れた街と感じます。
緩やかな島の時間と都会の喧騒がミックスしたような稀有な街かもしれません。



瀬戸内海を臨むスポットに気を取られがちですが、せっかく広島市内に住んでいるのでまずは広島市内のオススメを。

世界遺産、原爆ドームと平和資料館を見るプランならばその足で折り鶴タワーへ。展望台から眺める原爆ドームと平和資料館、爆心地グラウンドZERO、広島の街並みは展望台のフロアの建築デザインの美しさと歴史の重みも重なり別格です。
その後に平和大聖堂で世界の平和を祈る。
こちらの建築も一見の価値があります。

宮島には電車でなく、平和記念公園から直接行けるフェリーボートがちょっとしたクルージング気分も味わえてベスト。
宮島の弥山の1200年消えずの火のある大聖院が神秘的でオススメです。平和記念公園の平和の灯の種火にもなっています。

広島市内穴場スポットは八丁座という映画館。
全国の映画関係者が一度は訪れたいと言われる歌舞伎座のような内装のシアターです。全席広々としたベロア張りのソファーシートに御座敷席まであります。上映セレクトは昔恵比寿にあったガーデンシネマのようなセンスの良さを感じます。

アマンのゼッカさんがプロデュースしたazumiができたことで話題の瀬戸田に行くなら大理石でできた巨大アート、未来心の丘が地中海気分にさせてくれてオススメ。
瀬戸田の町のあちこちにも現代アートが溢れているので、ドライブやサイクリングがてら散策してみては^_^。

言わずもがなですが、世界中のアートファンから注目される直島を始めとする瀬戸内アートプロジェクトは私の全身全霊が震えたほど衝撃を受けました。過疎化していた島の町おこしをアートの力で、元々島で暮らしていた人々と共存しながら活性化していくアイデアが素敵ですよね。李禹煥美術館の答えのない迷宮入りの世界観、豊島美術館の広大な母胎にいるような摩訶不思議な感覚、地中美術館のジェームズタレルの光の世界観、家プロジェクトの多種多様な世界、書き出したらキリがないですが、引き込まれ過ぎて人生が変わるかもと錯覚させる衝撃がありました。
出産前に友人達と行ったのですが、気に入り過ぎて仲間が帰った後も1人で延泊してアート散策を続けたほど。

福山に同じ衝撃がもう一つ、名和晃平の作品で話題の新勝寺。
藤森照信設計の松堂はムーミンやスナフキンが住んでいそうなどこかメルヘンチックな雰囲気で夢があり、名和晃平の「洸庭」の建築美はさることながらインスタレーションの闇からの光の世界が脳裏に焼き付きます。直島のジェームズ・タレル/安藤忠雄による南寺のインスタレーションとも合い通じる世界の気がします。


瀬戸内のススメ②に続く