可能性というもの論、その18【終章】。
ひとつ前のその17はこちら
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この話を長々書いた理由。
可能性というものは、高めることはできると思います。
正しくは、高めることができるものが多い。
しかし、絶対的な状況にすることは、なかなかに難しい。
昨今、景気低迷のあおりを受けて、
セーフティネットの活用などで急場をしのいでいる方が多く、
私共のお客様でも例外ではありません。
一方で、借金を抱えるということは、返済の義務を負います。
明日、払う金を確保できても、
これから何年にもわたり、返済する金を生み出す必要があります。
経営というものは、自社のことだけで完結するようなものではなく、
取引先、経済環境など、様々な要因に左右されるものです。
そして、その経営の舵を切るのは、常に経営者。
私は、いつも疑問に思うことがあります。
なぜ、経営者なのに、可能性を上げる努力を怠る方がいるのでしょうか。
あるいは、経営判断を進んで「投機的」な選択肢を選んでしまうのでしょうか。
「会社が生き残る可能性」。
その可能性を1%でも高める努力を惜しむと、
いや、可能性が低い中で博打を打つと、あっという間に瀕死の状態になります。
その投資は、本当に必要なものなのか。
その赤字の原因は何なのか、そして取り除けるのか。
売上減少は一時的なのか、減少のままであればいつまで持つのか。
その借り入れは本当に返済できるのか。
我々は、会社が生き残る可能性を1%での高められるように、
会計データを駆使し、分析し、気づく機会を提供できるように、
経営判断を会計データに基づいてできるように努力しています。
しかし、これはお客様の経営そのものではありません。
我々は確率をあげること、その支援までしかできないのです。
先生という呼称は、実はあまり好きではありません。
塾の生徒からすれば先生かもしれません。
先輩、というようなものでしょうか。
経営者からすれば、私は先生ではありません。
人生の大先輩から先生といわれるとこそばゆいですし。
でも、未来を開くお手伝いをしているという意味では、
似ているかもしれません。
生徒の将来・未来は、学歴にとって多少、開かれます。
医師は養成機関(大学)を卒業し、国家資格に合格して
はじめて職業とすることができます。
世の中には、学歴がないとなれない職業がある、
したがって、塾や学校の先生は、生徒の未来形成の支援をしている。
(実際には学歴だけではなく、人生について知り、考えることが重要なのですが)
税理士には、ただの事務処理代行業を営む方もいますが、
お客様の未来をつくる支援をする我々のような人間もいます。
税理士の使い方をお間違えのないように。
そして、その価値判断を、顧問料という名の間違った尺度ではなく、
顧問料に含まれるサービスと目的をしっかりと見定めてください。
可能性を高める。
そのためのパートナーとして存在していたいと、私は思っています。
ということは、税理士も、外に向く商売
、ですね。
<了>
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