松田奈緒子さんの漫画が好きなので、オダギリ・ジョーが画にそっくりで驚いている。今回、ドラマ化されたのは週刊バイブスという漫画雑誌の編集部が舞台だが、私が好きだったのは時代小説家の不器用な恋愛話だった。
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登場人物が多く、ふたつ以上のドラマが同時進行で進んでいくので説明的になってしまうが、充分泣けるのは私だけか? レギュラーだけでなく、ゲスト出演者もめちゃくちゃ凝っている。火野正平さんも出ていて、いい役で、嬉しかった。
レギュラーキャストの漫画家、中田さんは育児放棄されて育ったうつろな若者で、永山絢斗くんが演じている。先輩アシスタントの沼田役のムロツヨシが、中田さんの荒削りなパワーに卒倒しそうになって、プロになる夢をあきらめて帰省して、稼業の酒屋を継ぐ。そして、彼に夢を託された中田さんは「なんで、俺だったんだよ」と悩むようになる。
思い込みでつっ走っているうちは幸せだが、いつかは淘汰されていく。
「この坂道」のお父さん役、大倉順憲さんが書かれた深水三章朗読劇「喝采」も、夢を追う恋人同士の葛藤をメールの文面を通して描いた話で、常に夢見がちな私はめちゃくちゃ共感してしまうのだが、近頃は純然たる受け手側の人と出会う機会ができて、不思議で仕方がない。
三味線を始めて三年、感覚が変わってきた。それと同時に、稽古不足にようやく気がついた。素質の問題はあるが、上手い人はお稽古のやり方を知っている。写真はマイ下駄商品名「糸春・舟形八寸・本天一文字」