『模倣犯』を読了いたしました。
女性ばかりを狙った連続殺人の話です。ごく大雑把に言って、
第一部では被害者遺族と警察を中心に、事件の外貌が少しずつ明らかになる。
第二部では犯行そのものが語られ、第三部で解決です。
それだけといえばそれだけですが、ボリュームが半端じゃない。
長かったです。やたらめったら長かったです。
でもどこもここも面白いから読むのです。
読むのですが、読み終わると「長かった」という印象しかないのです。
というわけで、クロヤギさんと同じような感じ。
クロヤギさんが紹介してくれた、千街晶之さんの指摘は的確だと思います。
これだけ大きな視点からどれもこれも余すところなく書こうとする著者はすごい。
それはすごいです。試みるだけでもすごいのに、この完成度はすばらしい。
ありとあらゆる人間の心理を全部説明しようとし、そのどれもこれもに納得できる。
豆腐屋のおじいちゃんなんて、すごく迫力あったしね。
だから逆に、誰が軸なのか、誰に寄り添って読めばいいのかわからない、というのはあります。時間や人物も行ったり来たりするし。
そして、上巻に比べて下巻はややダレる。
ダレるというか、疲れが見えるというのか、少しずつご都合になってきて、高校生があんまりにも頭がよすぎたり、伏線なのかと思ったら放ったらかしでまったく出てこなかったエピソードや人物も。
結末も、劇的というよりは「あ、それでいいんだ…」という感じ(笑)
もっともっと犯人が追い詰められていくところやその心理を丁寧に説明してほしかった。
それまで全員についてクドいぐらいに書いてきていたからこそ、主犯についてはえらくカンタンに終わったな、という印象が拭えないです。
簡単に終わってもいいのですが、やっぱり、私としては犯人がこてんぱんにやられてほしいわけですよ(いや、ちゃんと捕まるし、おじいちゃんに説教もされるんだけどさ)。
カタルシスが得られるかどうかで小説をどうこう言えないことはわかっているつもりですが、それでも「お話は終わったよ。現実に戻ろうね」っていうサインがないと、なんだかもやもやして気分が悪い。そういう種類のお話でした。
もしかしたらもっと単純に、「これだけ読ませたんだから、スッキリ終われ」っていう思いがあるのかも(笑)
ひとつだけ。
前畑滋子のルポは、どうだったんだろう。
ありゃいずれにしても早晩打ち切りなんじゃないかと思いました。
模倣犯〈上〉/宮部 みゆき
模倣犯〈下〉/宮部 みゆき

あー、中居氏はやっぱりピース役なんだね…。
勘違いや目の錯覚じゃあないんだよね…(笑)
中居正広in「模倣犯」―ピースの世界

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