すっかり春めいてまいりましたね。
でも、ここで気を緩めると風邪を引いてしまうので、みなさんも気をつけてくださいませ。
さて、先日『リアル鬼ごっこ』を読了いたしました。
昨年、映画化されましたね。
◆筋…は皆さんご存知かな、と思いますが、
舞台は未来の日本。王様は自分と同じ佐藤姓の人間が大勢いることが気に入らず、全国の佐藤さんを「鬼ごっこ」で狩り、始末してしまうことにした。
佐藤翼は、幼い頃に生き別れとなった妹を探し出し、ともに生き抜こうと「リアル鬼ごっこ」の7日間に臨む。
この翼くんが主人公で、陸上選手で、大学生です。
◆思ったこと
あんまりない…。
いやいや、発想は面白いと思いました。
筋は、進んでいけばいくほど「それでいいのか」が増えていく。
ナンセンスで、文章力は低く、筋は単純。「スピード感」とか「疾走感」とかいうアオリにも、首を傾げてしまう。
登場人物の行動にもあんまり納得できないのですが、実際にそういう場面に置かれれば、人間って複雑な思考や行動ってできないものなのかもしれないな…とは思います。
でも、そのへんが説得的に描かれているようにも思えないし、ただ翼くんが走って逃げて、それでラストを迎える、という「なんかそれだけ」な本でした。
なのですが、力はある気がする。
ただ、それは小説としての力ではない気がする。
まあねえ、ツッコミはじめたら一行も読めないので(笑)、だーっと何も考えずに読む。
あ、これが「疾走感」なのかも。
何も考えないで読まないと読めないという、逆説的な疾走感(笑)。
これ、多分ゲームをしているときの感覚に近いのだと思う。
そんなこともあって、若い人には受けるだろうなぁと思いました。
思いましたが、中・高生は、本を読むのなら別のものを読んでほしいです。
小学生は読まなくていいです。
◆おまけ
ツッコミどころの例:
まず、日本はなんでいつのまに王制になってんねん?(笑)
あと、もっと早くクーデターでも暗殺でもできそうなものだ。
佐藤さんは亡命するなり海に逃げるなりなんかできそうな気もするし、「佐藤サーチ」なんてナンセンスのきわみだし、とにかくすごい。
一種のファンタジーですね。
でも、「全国の佐藤さんを鬼ごっこで捕まえる」という発想がバカバカしくてステキと思ったのでした。
うーんとまあ、バカバカしいと言いながら、それに近いことは世界で実際に起こってきたわけですし、笑い飛ばしちゃうことも実はできないんですよね…。
リアル鬼ごっこ (幻冬舎文庫)/山田 悠介

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