以前にシロヤギさんが「食欲抑制に効果的な本」としてご紹介していた『天使の囀り』。
その著者である貴志祐介の『硝子のハンマー』を読了。
こちらは食欲に影響のないお話でした(笑)
日本推理作家協会賞を受賞したようですが、著者には珍しい本格ミステリー。
こんな感じのお話。
介護サービス会社ベイリーフの社長室で、社長の撲殺死体が発見される。
ベイリーフがテナントとして入っているビルのエレベーターは、社長室のある最上階へは暗証番号を押さないかぎり、かご室が止まらない仕組みになっている。
その上、廊下には監視カメラが設置され、窓には強化ガラスが使われていた。
監視カメラには誰も映っていないことから、続き扉の向こう側で仮眠をとっていた専務が容疑者として逮捕される。
専務の弁護を引き受けた青砥純子は、専務以外の人間が容疑者となりうる可能性を探るため、防犯コンサルタント・榎本径のもとを訪れるのだが…。
著者は取材魔のようですが、情報小説としてなかなか面白く読めました。
防犯コンサルタントがホームズ役、弁護士がワトソン役になるのですが、なかなかこのコンビは魅力的。
このコンビで中編が書かれていて、それも一冊にまとまるそうです。
さて、以下はこれから『硝子のハンマー』を読もうと思ってらして、なるべく余計な情報は欲しくない、という方はご覧にならない方がいいと思います。
ネタばれはしていないつもりですが。
読んでいる最中は面白かったのですが、読み終わるとなんだか物足りない感じがしました。
本書は二部構成で、第一部は探偵側からの物語、第二部は犯人側からの物語となっているのですがどちらも中途半端なんですよねぇ。
謎解きの小説としてもすっきりしないし、罪を犯す人間の物語としてもどうにも共感できずに終わってしまいました。
「何が書きたかったんだ?」と思ってしまったのですが、文庫に収録されている法月綸太郎と著者のインタビューを読んで分かりました。
トリックが書きたかったんですね…。
ですから、「新しいトリックがみたい!」という読者向きのように思います。
にしては長いですけどね。
硝子のハンマー (角川文庫 き 28-2)/貴志 祐介

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