テイマー教授シリーズ | しろやぎくろやぎ、本を読む。

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シロヤギとクロヤギによる、徒然気まぐれ偏りぎみ読書日記

 クロヤギです。


 仕事がちょっと忙しくて間があいてしまいました。
 前回の記事の続き、サラ・コードウェルのミステリー、テイマー教授シリーズの紹介です。

 このシリーズの語り手兼探偵役であるテイマー教授は法律分野専門の歴史学者。
 シリーズ作品では、若い弁護士である教え子たち、つまり真面目なラグワートや享楽的なカントリップ、クールなセリーナ、おっちょこちょいのジュリア、先輩格のティモシーが巻き込まれた事件をテイマー教授が解決します。
 
 主要登場人物がみな法律関係者なのですが、日本の法曹制度に関する知識だってあやしいのにそれがイギリスになるとまったく分かりません。
 ネット上で調べたところ、どうやらイギリスでは、法廷に出て弁論をする法廷弁護士と、一般の法律相談や書類作成を業務とし法廷には出ない事務弁護士に分かれているようです。
 テイマー教授の教え子たちは法廷弁護士。
 彼らが所属するリンカーズ・イン法曹学院は、法律学校や大学を出た法廷弁護士が実務修習する場のようです。

 シリーズ二作目『黄泉の国へまっしぐら』では、富豪であった故レミントン=フィスク卿の女相続人達を襲った不審な事故の真相を暴きます。
 第一作の『かくてアドニスは殺された』では、テイマー教授はジュリアからの手紙を読んで事件を推理したのですが、今回手紙を書くのはセリーナ。
 個人的には、ジュリアとセリーナが招待された依頼人主催の特殊なパーティーを説明するところが白眉。
 
 第三作は『セイレーンは死の歌をうたう』。
 世界最大のミステリー大会において、ファン投票で決定されるアンソニー賞最優秀長編賞を受賞しています。
 このお話では節税目的のために面倒なことになってしまった信託財産の問題がでてきますが、これがとっても分かりにくいのよ。
 信託財産の運用を任されている受託人グループに助言を求められたカントリップが出張先から手紙を送ってきます。それを読んでやっと理解できました。
 謎めいた溺死をとげた信託受託人の死の謎にテイマー教授が挑みます。

 最終作は『女占い師はなぜ死んでゆく』。
 予言者イザベラとその虐げられた姪ダフニが越してきて以来、不穏な空気の漂うようになったパーソンズ・ヘイヴァ。
 その村に住むジュリアの叔母レジャイナはイザベラの予言をもとにした株取引で利益を得る。
 話を聞いたジュリアはそれが悪質なインサイダー取引ではないかと疑いテイマー教授に相談するが、イザベラが死んだという報が届き…てな話。
 この話はもう、ダフニが怖い。
 どう怖いのかはこれから読む方の楽しみのために申しませんが、とっても怖い。
 
 テイマー教授シリーズはこれでおしまい。
 作者の逝去が惜しまれます。