下肢帯 寛骨 骨盤 | 山羊Tのあなとみ

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あはき用アナトミーテキスト

3 下肢

 下肢帯骨は寛骨(1)。

 自由下肢骨は大腿骨(1)、脛骨(1)、腓骨(1)、足根骨(7)、中足骨(5)、足指骨(14)。



(1)下肢帯の骨


①寛骨


 最も大きい扁平骨


 骨盤の左右をつくる。


 思春期頃までは腸骨、坐骨、恥骨3骨にわかれていて、3骨はY字型に軟骨結合する。成人では、Y字軟骨が骨化して癒合し、1つの寛骨になる。結合する部分は寛骨臼という深いくぼみである。ここは大腿骨頭と股関節をつくる


 寛骨臼のくぼみの入口は三日月型の関節面(月状面)となっている。くぼみの中央のもっとも深い部分には大腿骨頭靭帯が付着する寛骨臼窩がある。

 


②腸骨


 寛骨臼上面からさらに上方に扇状に広がった骨。


 内面は腸骨窩という大きなくぼみになっている。


 後方は耳状面になっており、仙骨と関節している。


 外面には殿筋面となっており、殿筋が付着する殿筋線がある。


 腸骨の上縁は腸骨稜となっている。


 腸骨稜の前端は上前腸骨棘で、体表の基準点となる。

 

 その下方に下前腸骨棘がある。


 腸骨稜の後端は上後腸骨棘で、その下方に下後腸骨棘がある。

 


③坐骨


 寛骨下部の後方部を構成するL字型の骨。


 下部には坐骨結節がある。これは体表から触れることができる。


 下後腸骨棘の下は大きく切れ込み大坐骨切痕となっている。大坐骨切

痕と小坐骨切痕の間には坐骨棘が突出する。これは体表からは触れられない。


 大坐骨切痕は仙棘靭帯によって大坐骨孔になる

 

 小坐骨切痕は仙結節靭帯によって小坐骨孔になる




④恥骨


 恥骨は寛骨下部の前方を構成する。


 坐骨とともに閉鎖孔を囲む。


 中央部を恥骨体といい、その内面に恥骨結合面がある。また、恥骨体上方には恥骨結節があり上前腸骨棘との間に鼠径靭帯がはっている。


 左右の恥骨結合面は円板をはさんで恥骨結合している。


 恥骨体の上方に伸びる恥骨上枝は閉鎖孔の上縁をなすとともに腸骨の弓状線に続く。


 恥骨体の下方に伸びる恥骨下枝は閉鎖孔の下縁をなす。


⑤骨盤


 左右の寛骨と後部の仙骨と尾骨とで構成される


 骨盤の前方では左右の寛骨が恥骨結合で連結する。恥骨結合部の軟骨は線維軟骨である。


 寛骨と仙骨は互いの耳状面で仙腸関節をつくる。