A様 ありがとうございました EMCOMAT7 レストア完了 SN7004085 | ビートしま専科 Let's enjoy the beat together.

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ビートほか 作ること全般 DIY 65過ぎてのビート乗りです。
自ら組み上げたエンジンでドライブ 最高のホビー
乗るチョロQ ビート,
ドイツ製大型ビート(ボクスター)も仲間入り こちらは旅行にも便利,農道のポルシェ サンバ―トラック、FF最速 TYPE R

千葉まで遠征 さすがにこの時期の引き取りは もう無理ですね。

36度の中 1時間近く作業するのは 空調服でも熱気が入ってくるだけなので これからは涼しい季節にします。

 

ジャンクで音が悪すぎるので開けてみるとやっぱりOIL無し

木工で使っていたようで 無頓着だったんでしょうか

木工の仕上げに サンドペーパーを使う際は ベッド面に粉塵が落ちないよう注意しないと 摺動面に入って 摩耗の原因になります。 前回のレストア同様 ベッド全面研削を検討

おそらく エムコマットのレストアで ここまで仕上げられるのは 世界中探しても無いと自負しています。

ギヤ ベアリングの状態は悪くなく ドレンにパッキンが無かったので 保管時にオイルが抜けたようです。

この頃 アルミダイキャストに加工無しで クロームメッキするのが流行りだった様で エムコも 後半はこのタイプを出荷していますが アルミに クロームは最悪の組み合わせです。 柔らかいアルミに硬質のクロームをメッキすると 必ず割れ剥がれがおき クロームの破片が刺さって怪我するので 切削して初期の様に仕上げています。

トップスライド、クロススライドは SUSハンドル。 ツールポスト スライド押さえもSUSとおごった仕様になっています。

ちなみにスナップオンはメッキ剥がれ永久保証などと謳っていますが メッキが剥がれるなんて国産ではありえないし 怪我するので危険なのです。インパクト用ソケットがメッキしていないのはそのためです。

刃物台、テーブル上に傷 欠けが一部あるので スチールパテで持った後 フルバックで仕上げ

エプロン かなり粉塵が溜まっています。 ザマック合金ハーフナット

ここは綺麗に掃除しておかないと ハーフナットが途中までしか入らず 偏摩耗を起こしやすところ

SN

このピアノタイプのスィッチを理解している人は どれだけでしょうか?

一度は理解したものの 記憶から消えています。

今回は壊れてはいないので 掃除して そのまま使います。

ばらすと大変なことになる感じ

前オーナーの ちゃちな配線もやり直します

ヘッドストック

高さ調整用の薄い紙シムが入っているので 丁寧に剥がします

通常 テールストック側が摩耗して下がることを前提として ヘッドストック側はシムでかさ上げして合わせているので 長期の使用の際は シムで調整します。

ギヤ関係の大きなダメージは無さそうです。ピニオンには ギヤ切り替えをスムーズにするためのテーパーが施されています。

EMCOMAT7,MAXMAT系のプライマリーシャフトのプーリーは必ずと言っていいほど ガタガタになっています。キーは使われていますが それをネジで押さえず シャフト端面のCリングで抜け止めしかしていないせいで 今回もシャフト -0.1、プーリー +0.2で計 0.3mmのガタ

接着剤で固めることでしばらくは ガタ音を無くせますが また再発するので キー、摩擦勘合で対応を考えます。

テーパーによるクリアランス0とキー併用で ガッチリ シャフトに固定されます。

EMCOの持病が解消されます。

バーチカルは あまり使われた様子は有りません。もともとコレットチャックが無いので使っていなかったかもしれません。グリスも使われた様子は有りません。

分解時 再使用するベアリングには 冶具を使ってインナーレースに加圧します

各レバーはステンレスの高品位なものになっています

モーター関係の塗装

バーチカル カバー 上下送りねじは 2か所の割メネジを抑え込むことでバックラッシュを調整します。各送りねじはこの様な調整機構が内蔵されているので ガタの多い方はトライしてみてください。

バーチカル ファンカバーが溶けて穴が有るので 塩ビで作成

薄物なので 両端面にアルミ材で補強

モーター上部に1ウェイクラッチとフライホイルが入っています

純正の通風孔より面積を広げたメッシュ構造

切り替えレバーも分解、ブラストで綺麗にして組立 鉄部は 黒染めスプレーで仕上げ

 

ミーリングヘッド内のギヤトレイン 内径側にキーが有る為 凝ったキーが使われています。

カウンタ―シャフト内にはニードルローラーベアリングが内蔵されており しっかりとした設計になっています。この様な部分は 100%化学合成グリスを入れています。

MT2のテーパは固いので 抜く際にネジで押すものが純正で用意されてますが今回はワンオフで作成。これで引きネジを叩くことが無くなり ベアリングのダメージを防ぐことが出来ます。

このあたりの配慮が流石です。

バーチカル主軸上部のベアリングは金属シールZZタイプのベアリングなので ゴミが入りやすくベアリングにダメージが有る為 今回は 国産 接触シールタイプに変更

バーチカルユニットは完成

 

 

旋盤主軸にはドイツ SKF社が使われています

ベアリングカバーには ラビリンスと 戻りようのオイル穴が用意されており ケースの溝に沿ってベアリングへオイルが流れる構造 戻りオイル穴が必ず真下にくるように3か所の固定ねじは 不等ピッチで加工されています

主軸 テーパーローラーベアリングの圧入

すべてのネジ類も磨きを入れて組立 持病のカウンタ―シャフトプーリーも テーパー勘合で強固に固定されています。 ドレンパッキンは 銅材から作成

 

ベッドの調整

テールストックがガイドされる中央の溝修正

ベッドセンター付近の手前側が0.01-2ぐらい摩耗しているので 他の部分をを少し きさげで広げます。

溝を広げたところで テールストックのガイドを広げてガタが全域変化ないように 調整

サドルも同様にジブを締めながら ガタ確認 渋い所を きさげ

ベッドが 研削加工から戻ってきました

上面を大型研削盤で仕上げています。レストア中 最大の懸案が解消されました。

新品時の精度が確保されています。

サドルの当たりの確認 EMCOMATはベッド全面に当たりは無いので きさげ面は広くないです。

エプロンを組み付けて上下のガタの確認 ベッドが摩耗して 且つ研削されているので 約0.25mm加工します。サドルは剛性が高くないので 均等に 変形させないよう平行台とクランプ。 ボルトの締め加減でも反りが出てしまいます。

エプロン組立 SUSハンドルは 一皮むいてスコッチブライト仕上げ レバーはブラストで洗浄

サドル エプロン取り付けてテールストック側の調整

このあたりは 摺動が少ないので摩耗せず少し硬くなりますので すこし きさげておきます

使い終わったら サドルを右端にして置いておくと 摩耗が均一になり 重量で撓むことがないと習いました。

組み上げながら タッチアップ。 サドルが付いたところで大まかにヘッドを調整

事前に仮組して ヘッドの平行を調整 すべて組み上げると 固定、調整ネジに工具が届きません

配線も仮組 防塵スポンジを交換 

切削力が親ねじを右へと押す為 摩耗が進みます。スラストベアリングをアップグレード

最高回転で ベアリングを締めながら非接触温度計で確認

ヘッドの平行調整とテールストック調整 0.01以下としています

爪の修正 0.02mmレベルまでは出ていますが スクロールチャックは 把握径と締め付け位置によって大きく変わるので ワークを掴んだ後 締め付け位置を変えながら振れの少ない位置を探すのが良好です

EMCOMAT 7 チャック研磨 (youtube.com)

バーチカル組み上げ  ヘッド取り付け 直角調整

締め付けレバーの位置合わせ用のワッシャ作成

送料節約のため 発送用の木製パレットをハーフサイズまで切り詰めます 

小さなパレットは上に物が積まれれるのそれなりの 梱包が必要です。

簡単に”発送してもらえませんか”とか質問される人いますが

ML-210などの段ボールに入れて宅急便で発送等とは 手間が100倍です。

ですので基本的には大物は引き取りでお願いしています。

レストア終了