2003年10月 平成中村座『通し狂言 加賀見山再岩藤』の初日レポが出てきました。



見終えてすぐに勢いで書いたと思われる感想です。

八月の歌舞伎座では久し振りに『加賀見山再岩藤』がかかります。
そうそう中村座ではこんな風だったと懐かしく思い出して頂いたり、今回の猿之助さんの『再岩藤』は「岩藤怪異篇」として再構築されるようですので色々な違いを楽しむ一つになれたらとても嬉しいです。
(7/30 猿之助さんがコロナ感染の為、当面休演との発表がありました。代役は巳之助さんとのこと。頑張って下さい!)

そしてこの公演で志賀市だった鶴松さんが来月の歌舞伎座二部『真景累ヶ淵』で新吉という大きなお役に抜擢されたのもとてもとても嬉しいことです。
頑張ってくださいね

当時の配役はこちらからご確認ください。↓

歌舞伎公演データベース
https://kabukidb.net/show/1740#section1


平成中村座初日レポ

待ってました!帰ってきた平成中村座!!
遠足に行く前夜の子供の頃を思い出す←遠い目、ドキドキワクワクで、あーこんなに期待いっぱい胸いっぱいで、
もし~つまんなかったらどーしましょ~などともちょっぴり不安も実はあったのですが・・・そんなこと思ってごめんなさい。
もー面白かったです!!今年も中村座 サイコーっっ!!

初日なので小屋前で源助さん(現・傳左衛門さん)一番太鼓の実演もありました。
撥渡しの儀は若太夫の七之助さん。
きりッと描かれた眉毛が凛々しうございます。
響く太鼓の音に期待もドンドンふくらんで、毎度おなじみ梶浦昭生さんの口上。
今回はどーしちゃったのやつれちゃっての化粧、トーンを落とした口調。
そう昼の部は怪談です。
口上から「おどろ~ん」とした雰囲気。

中村座に入ると座内は暗く、舞台の上と花道にはデカい動物の骨がゴロゴロと・・・
『どうぶつ奇想天外』などで「ここは動物達の墓場・・」とナレーションが入りそうな、『ジュラシック・パーク』のような感じです。
そしてBGMはお経。
木魚をポクポクと叩きながら「ケイタイ・デンゲン・・」とブツブツ言いながら歩いている読売@もとのさんに気を取られているといきなり役者さん達が出てきていて芝居は始まっています。

『通し狂言 加賀見山再岩藤』

以前の召使であった頃の姿で現れる中老尾上@福助さん。
失礼ながらこういう着物が似合わなくなってる感じ(出世したので)が面白かったです。
ここで『加賀見山』をきちんと思い出す私でした。

猿之助さん(現・猿翁さん)の比較的リアルな骨寄せ・・骨寄せにリアルもないか、合体ロボット物の合体シーンを思い出してしまう骨寄せの後、いよいよ岩藤@勘九郎(勘三郎)さん登場!!
・・私、大変申し訳ないのでございますが、岩藤につきましては当時の孝夫さん(現・仁左衛門さん)のを拝見しておりまして今のところ空前絶後のナンバー1岩藤となっているのでございます。
勿論、持ち味が全然違う役者さんですから同じ感触を求めている訳ではありません。
次の場の為か顔は汚してないこともあってかあまり怖さを感じません。
私をもっと怖がらせて~!!という感じでございました。
立役の方が加役でやる岩藤のイメージが自分の中で大きすぎるのだと思います。
勘九郎さん綺麗すぎるかも・・仁左衛門さん、ごめんなさい・・
で、次はフワフワ・・てっきりここで宙乗りと思っておりましたら花道の引っ込みとなりました。
う~ん、ちょっと残念かなあ。
岩藤の表情はすごく良かったです。遠見も面白かったです!

二幕目。
多賀大領の彌十郎さんが花道を行くと小屋が小さく見えます・・こういうお衣裳(関の扉の宗貞風)はテレずにお召しになってー!!と思いました。
お柳の方が昼の福助さんのお役の中では一番好きなのですが、この後尾上とお柳の区別がパッと見つきにくい(頭を見れば判りますが)ところがあって、この場の簪バンバン挿しをお柳はずっとしててくれたらいいのに・・と思いました。
望月弾正(勘三郎さん)には髪の毛とかせ!と言いたいとこです。
早足の古怪という感じです。
梅の方(勘三郎さん)は普通です。
舞台の後方がプールのようになっていて水のきらめきとゆらぎが時々入って良い感じです。
左右には大きな鏡がついていて役者さんの後姿が見えてとても面白いです。
鏡山?
でももう少し磨いて下さい鏡!くもってまーす!!拭いた跡がわかりまーす!!
蟹江一角(市蔵さん)。片市っぽいお役ですが、もう少し突っ込んでやった方が面白いかもと思いました。まだちょっと遠慮がちな感じがします。
鳥居又助(勘三郎さん)は出のところから思い込みの強そうな感じが良く出ていて一直線な感じ。
一直線が一角の言葉で上昇中。
そして頂点!梅の方グサッ!
プールを使い浮かぶは小さな船。障子を開けると・・まあ梅の方そんなに小さくなっちゃって・・って人形です。
去年から人形大活躍の中村座。
安田帯刀は彌十郎さん。こちらは安心保障付の出来。

三幕目 草履打の場
自称草履打研究家と致しましては・・ちょっと物足りない・・もっともっとグイグイウリウリグイグイウリウリやって欲しいかなあ。
やっぱり綺麗すぎるかな、勘九郎(勘三郎)さん。
普通の岩藤の怖さにプラスして亡霊の怖さを出して欲しいです。もっともっと!!
尾上と腰元の皆さんは流石に武家勤めな・・とは思うのですが、冷静なのねーとも思いましたです。

四幕目 又助内
志賀市あっぱれ!清水大希くん君は上手すぎ!!!お琴も上手かった!!
花道でいじめっ子にいじめられてるところから、おばちゃん涙が止まりませーんって感じです。
あと一分又助が来るのが遅かったら助けに行ってたわ!私がっ!!!
いじめっ子の子役ちゃん達もきっと本当はいい子なんだと思うけど上手だったわ、頑張ってね。
おつゆ(七之助さん)の切ない表情も良かったです。
かぼそい肩にきっと貧乏なので兄さんや弟、そして求女様(扇雀さん)にいっぱい食べてもらいたくて自分はほとんど食べてないに違いないわーと妄想に走る私。兄さん、気付いてやってよー
歌舞伎座だとどうしても大きく見えてしまう又助さん家。
中村座だといいサイズ!
又助が昼の勘九郎(勘三郎)さんの中では一番良かったと思います。
今度は一直線に悲劇に落ちていく・・志賀市の顔をジッと見る又助の姿に涙涙。
やっと言い訳が許されて帯刀の言葉に安心した表情に涙。
感動して疲れきった一幕となりました。

そして大詰。
捕手が「服部半蔵影の軍団」みたいでした。武器もリアル。
プールを使っての派手な立ち廻りです。
お柳も弾正も成敗され、やれやれ・・と思ったところに舞台の奥が開きクレーンに乗って縦横無尽の岩藤の霊が・・(格好は骨寄せ時)
良く晴れた外の明るいバックに合わなさ加減とその動きに・・場内大爆笑!!!
あんなに初めに怪談ドロドロの演出にしてたのに・・台無しだったかも・・面白すぎる。
岩藤よ、生まれ変わり死に変わり何度でも来て来て来て~(感想間違ってるよ)
カーテンコールでも岩藤はそのまんまクレーンで照れくさそうな勘九郎(勘三郎)さん。
でも投げキッスしちゃう勘九郎(勘三郎)さん。
ありがとう!!面白かったです!!!
サイコー!!!!!

昼の部レポ おわり。