誰もが己を基準とするものであり自身より上にしか関心が及ばない。会長も米国に留学経験まである精神科の専門医だが「本当に英語が話せるの?」私が持ち上げると「英語くらい」と返した。会長と交遊関係にあるのは上流階級ばかりで教養人の嗜みとして英会話のできる方が多いらしい。何処までのしあがっても上には上がいる。会長もその点、例外ではなく自分に溺れるより更に上位者に目が行くようだった。これは学歴や社会的地位に止まらずあらゆる分野に共通して言える。会長の懐事情など詳細は知る由もないが人とはそれなりの資産を有しても自己満足に陥ることはなく更に上に羨望を抱く。柳井正さん、孫正義さんクラスの大富豪も同様と言えよう。そして世界の頂点を極めると俗世における物欲を失うものなのかもしれない。ウォーレン・バフェットが居住するのは凡庸な民家であるしビル・ゲイツが身に着けているのは1万円にも満たないカシオのクォーツだ。話しは逸れるがハリウッドの大スターにもカシオを愛用する者がいるやに聞く。ただ本来なら安価であるはずのクォーツ式腕時計もあれ程のイケメンが纏うと高価に見える。