父の遺品を整理したところ懐かしい品物が出てきた。私の小学時代、父が購入してくれたセイコーの腕時計だ。父のオレオールの時計と共に木箱に保管してあった。支店長用車専属のお抱え運転手であった父にとって眼鏡と時計は必需品である。父はこういった類いには出し惜しみをしない。数十年も昔の物なので正常に作動するか案じたが時計屋に持参するとオレオールに問題はなくセイコーもーー日付け機能こそ破損していたもののーー時計としては正常とのことだった。私はこれまでロレックスの購入が目標だったが父の遺品を手中にした今、ロレックスなどどうでもよくなった。今後は日用使いとしてはセイコーを、政治家になったらオレオールを公務用の時計としたい。