ボタンを縫い付ける為に裁縫箱を押入れから取り出し、
ふと、それが20年以上前に購入されたものだ、と気付いた。
PINNY-MU( ピニームー)というサンリオキャラクターがデザインされている裁縫箱。
確か3種類くらいから好きなデザインを選べ、
女子の多くが、このデザインを選んでいた記憶がある。
ピニームーで検索をかけると”懐かしいキャラクター”として出てくるものの、
サンリオのホームページには出現して来ない。
ある意味レアかもしれない、この裁縫箱。
この裁縫箱を選んだ当時、私は10歳だった。
まさか34歳になるまで使い続けるとは。
24年間も現役で使っている物などコレしかない。
決して大事に使っている訳じゃない。
私は裁縫が大嫌いなので、(→『裁縫嫌いなママが、助けられた話。』)
裁縫箱の使用頻度が少なく、壊れる機会がないのだ。
さらに、高度な機能性を求めない故、
10歳で手に入れたソレを、買い換えたいという気が微塵も起きなかった。
こんな私でも、親になると何かと裁縫を迫られる。
保育園で使うお食事エプロンやシューズ袋。
家族の服のボタン付け、スイミングの帽子に縫い付けるワッペン。
買える物は買ってしまうのだが、ワッペンの縫い付けや、
ボタン付けはそうも言ってられない。
小学校の先生に教えられたやり方で、ボタンを縫い付け、
24年前からいっこうに減らない刺繍糸をチビチビ使っている。
大っ嫌いだった家庭科の授業の有り難みが、今になって分かる。
教えてもらっておいてよかった。
ミシンはこれからも使う気はないけど!
もう一つ、最近、有り難みを実感した授業がある。
図工だ。(中学校になると、技術科)
あの授業で、初めてノコギリを使い、釘やトンカチの使い方を習い、
本立てや箱を作ったりした。
図工で習った事が、通販で買った組み立て式本棚の作成に役立っている。
先日、処分しても処分しても本が入りきらないので、
思い切って背の高い本棚を楽天で購入したのだ。
ネットで購入すると安価で済むのは有り難いのだが、
大概自分で組み立てないといけない。
ノコギリなどは使う必要ないが、ネジとドライバーを持って数時間格闘する。
結婚してから、こうやって家具を自分で組み立る事が格段に増えた。
決して上手な方ではなく、旦那さんに「まだやってんの?」と、
呆れられる事がしょっちゅうだが、
図工や技術科の時間がなかったら、自分でやろうとすら思わなかったと思う。
(家庭科は嫌いだけど、図工は好きなんです。下手だけど)
図工や家庭科だけでなく、結婚してから、
国語、算数、理科、社会、音楽、体育、美術、の全ての授業が、
実は暮らしに密着している事を知った。
義務教育の授業内容って、もの凄くよく出来てる!
子どもを育て、家計を計算し、家のインテリアを考え、
ベランダで植物を育て、家族で遠くに旅行に行く・・豊かな暮らしを作っていくのに、
授業のベースが生きている。
お金を稼ぐ事だけを考えると、専門知識以外は必要ないかもしれない。
だから、独身の頃は義務教育の有り難さに気づかなかった。
しかし、家族の暮らしを支える立場になって、
「あの授業はこういう風に役立つんだなぁ」と謎解きをしている。
”万遍なく広く浅く学ぶより、好きな事を極めた方がいい”
今ってこういう教育の風潮が優勢なんじゃないだろうか。
(感覚でしかないので、気のせいかもしれませんが)
お金を稼ぐ、という意味では、
ある能力に磨きをかけ、極めていく必要があると思うけど、
暮らしていく事を考えると、広く浅く学ぶのも、大事だと思うのだよなぁ。
ママブロネタ「日々のできごと」からの投稿