松山市住宅情報館 館長日記 「柔實会総会・懇親会」

 

 令和6年度の柔實会(松山大学柔道部OB会)の総会・懇親会が27日(土曜日)リジェール松山で行われた。創部100年を迎えた柔實会だ。100年を振り返れば、歴史に残る素晴らしい先輩たちがたくさんいる。柔實会は柔道精神で人生を戦かった先輩たち、今現役として戦っている先輩たちの「知恵と経験の宝庫」でもある。

 

 今年の総会には昭和44年卒業の鎌倉先輩を古参の筆頭に、昭和46年卒業の黒木先輩・関谷先輩・阿部先輩・菊池先輩が参加された。気が付けば我々49年卒(福島君・白石君・二宮)も古参三番目となっている。

 

 総会では濱田初幸7代目会長による執行部の議案が提案され審議された。主なテーマは①決算と予算について②柔道部理念とスローガンについて、③100年史編纂について、④OBによる学生の指導について有意義な議論が交わされた。濱田体制執行部役員の皆さんの意見を聞いて、柔道部復活の可能性を感じなかったOBは居なかったと思う。将来は明るい。我々老兵は去るのみ。

 

 理念とスローガンについて私も持論を述べたい。理念とは組織の存在意義である。理念は会員が生涯を通して目指すモノだ。議案は柔道部らしく「人生の勝負に勝利する。」と言うものだ。勝利とは成功を意味する。柔道精神で人生を成功するというものになる。人生における成功とは①経済面での成功②健康面での成功③家庭面での成功④社会面での成功を言う。長い人生では試合と同じように勝ったり負けたり、仕事や病気、家庭や人間関係での成功と失敗(挫折)の繰り返しだ。柔道精神とは挫けないで立ち上がる精神だ。松山大学柔道部4年間の鍛錬は「人生の勝負に勝利する第一歩、鍛錬の場=理念の入り口」でなければならない。

 

 一方のスローガンとは理念に向かう行動指針・行動心得となる。今現在取り組むべき課題の徹底となる。徹底とは団結結束の気合を意味する。山下新監督の挨拶は「❶中四国大会優勝目指す(目標)❷挨拶の徹底=先輩後輩上下のけじめ(統治)❸仲良く協力=結束(協調)だった。山下監督の勝利を目指す決意表明は理念に向かう決意表明でもある。理念は会員の総意であるから代表である会長一任で決めればよい。スローガンは現場(学生)を預かる監督の意思に沿うべきものと思っている。理念は一つ、スローガンは複数あっても良いと思う。

 

 かつて東京で黒木先輩と鳥取城北高校の校長・石浦外喜義氏(大相撲・石浦の父)の講演を聞いたことがある。強いのは相撲部だけでなく野球部100名を超える部員数を持つ強豪高校だった。将来を目指す球児たちが名門城北高校に集まる。石浦校長に父兄が「うちの子を必ず代表選手に育ててください」と頼みこまれた時の明快な回答だった。「選手に抜擢するかどうかは約束できませんが、3年間でお父さんが納得できる人間教育(人生を生き抜く力の教育)を約束します。」と説得したと言う。確かに選手は9人だ。将来プロ野球に行く選手は限られている。プロの道に行かなかった生徒たちも部員である。全ての部員を大事に育てる姿勢がうかがえる。

 

 石浦校長は野球を通して父兄が納得する人間教育を約束していたのだ。柔道部だって全員が選手にはなれない。四年間の柔道の鍛錬が長い人生の準備体操(体力気力・目標設定・努力・熱意・辛抱・協調・チームプレーなど=社会教育)であれば良いのだ。人生を導いてくれる指導者に出会えることに価値がある。わが柔道部も学生たちが自分らしく強く生きるための鍛錬の場であってほしい。松山大学の柔道部も濱田OB会会長の指導のもと、山下新監督(長野コーチ・澤田コーチ)によって新しい時代を迎えようとしている。

 

 さらに嬉しいニュースを報告する。前日の温山会(松山大学OB会8万人)常任理事会で、わが柔道部の濱田初幸会長が、温山会次期総会において、温山会の副会長に就任することが正式に決定されたことだ。大学の評価は学生の活躍とOB達の活躍で決まる。「あの人は柔道部の先輩か。あれが柔道部の後輩か。ぜひうちの会社へ来て欲しい。」そんな卒業生に育ってほしい。進学先に迷っている父兄たちの判断基準にも繋がる。濱田会長の温山会副会長就任は大学とOBに大きなインパクトを与える。強い柔道部の復活だけでなく、大学教育におけるサークル活動全体の復活に貢献してくれると期待している。今年の総会懇親会も短い数時間だったが学生時代に戻り、有意義な時間だったと感じつつ散会となった。