松山市住宅情報館 館長日記 「国際法と国内法」

 

 

 

国際法とは国家間での取り決め(約束)である。国際法では双方の政治家と政治家が取り決めをする。国内法とは国家と国民との約束事である。国内法では裁判所が決定する。世界はおおむね国内法は国際法の傘下に入る。政治体制によって国内法が変わることがあるが、グローバル化された現在、国際法を無視すれば防衛や貿易は成り立たなくなる。国際法を無視すれば世界から見放され孤立の道を走ることとなる。政治は大変である。国際法も大事、国内法も大事、民意も大事、長期展望も必要だ。一人の政治家によって、国力高揚もあるが、国家崩壊の道を歩むこともある。それは国民が選ぶことになる。

 

 

 

司法の独立と言う言葉がある。三権分立によって裁判所は治外法権的立場になる。裁判所の判断は権力に支配されないと言うものである。国家と国家とで約束した条約や協定が、国内の裁判所の判断と違った場合、条約や協定は無効になるのかと言う問題である。やはり国家間では国際法を守らなければならない。裁判所の決定となった国内法も守らなければならない。両方大事であるが、両方の採用は成り立たない。一方を採用すれば一方を無視しなければならない。どうすればよいか。苦渋の選択をやらねばならない。

 

 

 

会社でも同じような事例がある。実際に当社であった出来事である。ある日、社員がある自社不動産をAさんに売ると約束(口約束)した。別の社員が同じ物件をBさんにも売ると約束(口約束)していたのだ。私はAさんもBさんも融資が付かないとタカをくくっていたのだ。想定外の事態になってしまった。同時にお金が出来たと回答して来たのだ。Aを立てればBが立たない。Bを立てればAが立たない。売り止めと言うことも約束なんだから出来ない。そんなことをすれば商売人としての信用を失う。そこで私は考えた。AさんともBさんとも手付金を貰って売買契約書を交わす方法だ。契約書には契約解除も損害賠償も書いてある。私はAさんを採用して引き渡した。Bさんには損害金として手付倍返しでBさんとの約束を守った。

 

 

 

国家間の約束(条約や協定)だって同じである。たとえ前政権がやった約束も約束は約束である。司法の判断は正しいが、国家間約束も有効である。国家間約束を無視・無効とし、司法の判断を採用した為に、今日の事態になってしまったのだと思う。外国との取り決めにおいては裁判所の判断を政治不介入では終わらせてはならない。たとえ前政権の間違った約束でも国家間約束は有効である。現政権は前の政権の地位をそのまま継承しているからである。新政権にとって不本意な約束であっても国民に国家間約束を守らせなければならない。どうしても納得できない不平等条約であれば契約解除の交渉をしなければならない。

 

 

 

戦後処理問題も慰安婦問題も政府間では最終決着している。補償金は国家として受け取っている。国家として徴用工や慰安婦に補償しなければならなった。しかし慰安婦像だっていまだに撤去されていない。国家間の協定を無視するのであれば、出るとこへ出て正々堂々と協定解除の交渉すればいいのだ。すべての契約(条約や協定)は双務契約である。双方にとって恩恵があり、双方にとって義務と責任がある。恩恵だけ受け取ることはできないし、義務と責任だけを果たす必要もない。


国家間の協定を破棄することは、義務と責任の免除を受ける代わりに、受け取る恩恵も放棄しなければならない。協定を解除するのだから、製造業の現地生産や観光産業など、日本も日本の利益を放棄しなければならない。かつての友好国も、協定前夜に立ち戻り、友好国待遇と言う恩恵を返上しなければならない。それが双務契約・互恵と言うやつである。