この4種の中で特にトウネズミモチ、ネズミモチの違いの説明は葉と果実の説明が多い。この時期、果実は見られないので参考にもならない。また、花は花期の時しか確認できない。
そんなわけで、今時は葉の様子を見ることで同定できる。
トウネズミモチ
撮影 5月19日(2020)
葉の表裏から見て、葉脈が透けて見えるのが特徴だ。
科・属:モクセイ科・イボタノキ属
学名:Ligustrum lucidum
和名:唐鼠黐
筒状漏斗形の花筒が3~4㎜と言うが、其れより長い、のが疑問だ。
花冠は長さ3〜4mmの筒状漏斗形で、なかほどまで4裂し、裂片は平開する。雄しべは2個。葯は花筒から突き出る。花柱は花筒から少し突き出る。
日にかざすと脈が透けて見える。
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ネズミモチ
撮影 9月19日(2020)
葉の裏からは側脈が見えない。
葉の表から、主脈がやっと透けて見えるぐらい。裏からは不可。
科・属:モクセイ科・イボタノキ属
学名:Ligustrum japonicum
和名:鼠黐
名の由来:果実がネズミの糞に、葉がモチノキに似ていることから付いた。
別名:タマツバキ」
花冠は長さ5〜6mmの筒状漏斗形で、半ばまで4裂し、裂片は平開する。雄しべは2個。雄しべと花柱は花筒から少し突き出る。
葉脈はほとんど見えない。
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セイヨウイボタノキ
撮影 5月19日(2020)
科・属:モクセイ科・イボタノキ属
学名:Ligustrum vulgare
和名:西洋水蝋の木
別名:ヨウシュイボタノキ、プリベット、セイヨウイボタ
半常緑広葉樹
花をつぶさに見ることもせず、葉序の様子から「イボタノキ」と思っていたが、この度花の様子を見ていたら、葯の形がイボタノキではないのに気が付いた。そこで、たどり着いたのがこの「セイヨウイボタノキ」にたどり着いた。
花糸が長いのが特徴のようだ。
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イボタノキ
撮影 5月31日(2020)
ネズミモチやトウネズミモチの葉に比べると歴然として小さい。
科・属:モクセイ科・イボタノキ属
学名:Ligustrum obtusifolium
和名:水蝋の木
花冠は長さ7〜9mmの筒状漏斗形で、先は4裂する。裂片は短く長さ約3mm。雄しべは2個、葯は花筒から少しつきでる。雌しべは短い。萼は低い4歯があり、短毛が生える。
葯だけが花筒から少し出る。
落葉低木
暖地では冬も葉が落ちないことがある。
この存在は以前から知っていたが、花が咲いていなかったから、スルーしたのだが、どうやらこれが「イボタノキ」のようだ。今では花期をとっくに過ぎているので、花の様子を確認できないのが残念だ。
投稿 5月31日(2020)日曜日 曇り 21.5℃(10:00)