ケンカ四つで相手に上から引手を持たれて絞られると、何もできなくなってしまうことがあります。

特に相手のほうが力が強かったりすると、引手を上げて技をかけたくても上げさせてもらえないので何もできずに負けるか、引き分けになったりしてしまうことが多いと思います。

そんな時、どうしたらよいのかを考えてみるとよいという話です。

 

こうした場合、相手との距離がとても重要になります。

普通に組むと、だいたい相手と自分の距離の中心でお互いの袖を持ち合うことになると思いますが、この場合は上から持っているほうが有利になります。

下方向に下げるという動作は自分の力に重力を加えることができますので、通常下側から持っている相手よりも強い力をかけることができます。

この状態で自分の力だけで引手を上げようとしてもなかなか上がりません。

 

ではどうするかというと、おなじみの「テコの原理」を使います。

支点と力点の距離が長いと小さな力で重いものを持ち上げられるというアレです。

ということで、下の図のようにやってみると、本当に軽く引手が上がります。

 

 

相手に防御されない程度に軽く引くというのが重要です。大きく引いたりすると相手が一歩前に出てしまって相手との距離が引く前と変わらなくなってしまったり、強い力で無理やり引こうとすると相手が力を入れて防御してしまいます。

そこで、あまり力を入れないてスゥっと3から5cmくらい引きます。これなら相手にまず防御されません。

この状態で軽く下方向に引いてから直径3cm程度の小さな半円を書くようにして拳をやや外側に出して相手のかけている力の向きに逆らわないように肩関節主体(ワキをパカっと開ける感じ)で弧を描くように上方向に手を動かすと、簡単に引手を上げることができます。

 

※水平方向に少し移動させることで「力の分解」の効果が出ていることも関係すると思います。

 

少々慣れは必要なのですが、慣れてしまうと大きな相手に力任せに組まれても怖くなくなると思います。

なおこの考え方は体の他の部分にも同様に使えます。例えば奥襟を取られた時なども、少し後ろに下がって同様に対応すれば下げられた頭を上げることができます。

大切なのは、力をかけられている場所でそのまま何とかしようとしないことです。力をかけられている場所で何とかしようとするには相手よりも強い力が必要になります。

 

柔道は本来小さな人や力の弱い人でも大きく強い相手に勝つことができるように考えられています。

いろいろな工夫をして自信を持って柔道ができるようになるとよいのではないかと思います。