そもそもブラックリストとは?


「支払いを滞納するとブラックリストに載ってしまう」と聞いたことがある方が多いと思いますが、実際には『ブラックリスト』というものは存在しません。


では、ブラックリストに載るというのは、どのような状態なのでしょうか。


実際は、信用情報機関が管理している『クレジットヒストリー』に金融事故として記録された状態を「ブラックリストに載る」または「信用情報に傷がつく」と表現しているのです。


たとえば、次のようなケースが、金融事故の情報として記録されます。


・滞納(延納)

・債権整理

・自己破産

・保証会社による代位弁済(借金を代わりに返済すること)

・連帯保証人による借金の肩代わり


これらが記録されることによって信用情報に傷がつき、その後5~10年間は「ブラックリストに登録された状態」となるのです。なお、ブラックリストに掲載されてから解消されるまでの期間は、滞納で5年、自己破産の場合はおおむね10年とされています。


ブラックリストに載るとどのような不利益がある?


信用情報に傷がつきブラックリストに載った場合は、次のような不利益が起こる可能性があります。


・クレジットカードの入会審査に通りにくくなる

・キャッシングやローンの契約が見送られる

・携帯電話やスマートフォンの購入時に分割払いを選べない

・希望する賃貸物件に入居できない


これらの契約時には審査の段階で信用情報機関に照会を行うため、信用情報に傷がある場合は、ブラックリストに載っていると見なされてしまい契約を結べません。

たとえば、住宅や自動車など金額が大きい買い物をする場合でもローンが組めないため、契約が難しくなるでしょう。


滞納した場合にブラックリストに載る支払いとは?


滞納によってブラックリストに載る支払いには、次のような種類があります。


・クレジットカードの支払い

・ローン(カードローン、自動車ローン、住宅ローン)

・奨学金の返済

・リース契約(カーリースなど)

・個別クレジット(エステや教材など)

・スマートフォンや携帯端末の分割払い


上記の支払いが滞った場合は信用情報に傷がつき、ブラックリストに載る可能性が高いでしょう。


奨学金の返済も、3か月以上滞納した場合はブラックリストに載ります。さらに滞納が続くと一括請求される可能性があります。日本学生支援機構の奨学金の場合、契約者は学生のため、滞納によってブラックリストに載るのも保護者ではなく本人です。


税金や公共料金の不払いはブラックリストに載らない?


税金や公共料金の支払いを滞納しても信用情報機関に記録されないため、ブラックリストに載ることはありません。


・住民税

・所得税

・自動車税

・固定資産税

・健康保険料

・国民年金

・水道代

・ガス代

・電気代

・NHK受信料


これらの支払いは、クレジットやローンなどの割賦契約の対象になっておらず、延滞しても信用情報に傷はつきません。

ただしクレジットカードでの支払いを選択している場合は、滞納によって信用情報に傷がつくため、一般的なローン滞納と同様にブラックリストに載る可能性があります。


またガス会社などによっては、事業者が信用情報機関に加入しているケースもあり、その場合はブラックリストに載る可能性があるかもしれません。


●公共料金を滞納した場合はどうなる?


公共料金を滞納した場合は、支払い翌日から延滞利息が発生します。さらに支払わないまま数日から数週間たつと、督促状や停止予告状が届きます。その後、電気やガス、水道の供給を停止され、最終手段として給与や財産を差し押さえられる可能性があります。


●税金を滞納した場合は具体的にどうなる?


税金の場合は、滞納すると延滞税がプラスされます。税金を延滞し続けると、公共料金同様に督促状が届きます。督促状が届いても納付されない場合は、役所の徴収職員が財産調査を行い、差し押さえが行われる際には、給与や預金なども対象となります。


税金の支払いが困難になった場合は、猶予や分納を行える制度があります。支払いが難しいと感じた場合は、早い段階で役所に相談することが大切です。