『惚れられた男』の話を教えてという友達

昨夜二時半頃は、西空にこうこうと月が照っていました。


さぞ好天か?と期待しましたが、寒空の土曜日。
芽を出したばかりのミニクロッカスやヒヤシンスも縮こまっています。

新聞で明日開かれる高校伊那駅伝の特集をみて、長野県の強豪チーム佐久長聖(私立)の選手が100%県外出身なのに、驚いたりしました。
スポーツ強豪校は、いまや地元の生徒の割合は下がるばかり。

そこへ友達から電話!
『前に大人のためのお話し会で聞いた『鰻や鷹に惚れられる話』を教えて』と言います。
彼女は、私より二つ年下。
マメな旦那さんが家事を一切やってくれるので、年齢を忘れて社会参加やボランティアしてます。

かなり前に私が語った星新一のショートストーリーを、自分が担当する高齢者サロンで披露したいと言います。

いくら、彼女の携帯がかけ放題契約だとしても、電話ではらちがあきません。
我が家に来て貰って、ぼろぼろのお話ノートを出してみましたが、、。

研究熱心な博士が勉強ばかりの人生に嫌気がさし、美女に惚れられる媚薬を発明。
うっかり、車に溢したり、転んだりして、媚薬が飛び出し、車、鰻、鷹、老女、、等に追いかけられるお話です。


いくら頭の良い友でも、覚えられるかな?
それに、昔話や伝説なら、多少テキストと違ってもいいが、原作者のいる文学では、一字一句正しく再現しないと、、。

私が出たそのお話し会では、芥川龍之介の『蜘蛛の糸』や宮沢賢治の『虔十公園林』を語った人もいました。
みんな、30回も40回も暗唱して覚えました。
『虔十公園林』は、長い話ですが、語り手は完璧に再現して、聞き手はお話の世界に引き込まれました。

村の人に馬鹿にされる虔十(けんじゅう)は、実は林や森の声を聴く人であり、黙々と木を植え続ける。
やがて、美林が大切にされる。


『なるほど。なんかいいお話無いかね?』
『相手はみなさん、80~90シニアさんだもの、難聴の人もいるかも。一緒に参加して、声を出せる数え歌なんかどうかね?』

で、また、おんぼろノート登場。

結局、手遊びを加えた野菜数え歌と、栞のような紙人形を次々仲間に手渡しながらの数え歌『一は糸屋の、、』に決定。

野菜数え歌
無花果(苺)、人参、山椒、椎茸(紫蘇)、牛蒡、無患子(ムクロジュ)、七草(茄子)、初茸(蓮)、胡瓜、冬瓜(唐辛子)

今のこどもなら、ロマネスコ、キューイなんて、、。
動物やお菓子シリーズも楽しそう。

『一は糸屋の、、』
一は糸屋のおまきさん、
二は煮染め屋の染子さん、
三は魚屋の鯛子さん、
四は汁粉屋のあんこさん、
五は呉服屋の絹子さん、
六は蝋燭屋の照子さん、
七は質屋のかね子さん、
八は花屋の花子さん、
九は薬屋の利く子さん、
十は珠数屋の珠子さん

友達は、『栞人形を作ったり、野菜のイラストを作る❗』と張り切って帰りました。

何だか心配ですが、おおらかな友達は、多少間違っても『アハハ』で済ませます。
私も、そうなりたい。