★ いろいろな歌が浮かぶ神無月の夜・・★

 

✿ お世話になった89歳の先生が、奥様を見送られました。

認知症状が進む一方の奥様を長年お世話されてきたのです。

 

先生に教えていただいた歌で、「一億の母」が忘れられません。

宗教学者・暁烏 敏(アケガラス ハヤ)の短歌を龍谷大学男声合唱団(竜男)が歌ったものです。

十億の人に十億の母あれどわが母にまさる母あらめやも

 

現代は、シアワセな気持ちで母を慕う人ばかりでなく、酷い母、未熟な母を恨む人もいるでしようね。

 

○ 映画監督・進藤 兼人さんは、15歳の時母親が結核で死にました。子供の時縫ってもらった久留米絣の着物は、成人後も着れるように、袂が縫い込まれていたので、ずっと着続け、50歳の頃擦り切れたため半纏にしたそうです。ボロだが、母と繋がるもの。

 

○ 小説家・吉川 英治さんは若い頃住み込み奉公していた時、母に頼んで3冊の本を送ってもらった。小包の紐は、母の腰紐だった。(この小包のために母は幾晩徹夜したのか)と思い、吉川さんはベルトの上に母の腰紐をまいて頑張ったそうです。

 

 死に近き母の添寝のしんしんと遠田(トホタ)のかはづ天に聞こゆる  斎藤 茂吉

 

眠られぬ母のためわが誦(ヨ)む童話母の寝入りし後王子死す      岡井 隆

 

この母は、精神を病み不眠や妄想があったようです。童話はワイルドの『幸福の王子』か?

米田利昭は(王子が死ぬ童話なんか現実にあるか?と言ってます)

 

雪山を見る日の来べしドナーなる十六歳の角膜ふたつ     原田 浩生  信毎歌壇

 

ただ一人の愛し子を那須で雪山訓練中に雪崩で喪ったお母さんが、我子の角膜移植を決意しました。

 

全市公園化構想で美しいフラワーロードの帯が続く当市ですが、責任範囲で無い箇所はこんな風。

 

母の話題に戻りますが、何処かで母は子を想い、子は母を慕うのでしょうね。

 

★ こんな歌をメールで教えてもらいました ★

 

眠られぬ夜を明かしてまた想う苦しき今を今を生き抜け     道浦 母都子

 

寝そびれて、グダグダ書き綴りました。今日もありがとうございます。