★ 蛙綿を見つけました ★

 

 

寺町遊歩道を散歩していて、カエルの泡巣を見つけました。

カエルは産卵のときに泡を作り、その中に卵を産み付ける、と夫に聞いた覚えがあります。

この蛙綿(方言でガエロワタ・ゲエロワタ)は、タンパク質など多くの成分を含み、泡のおかげで卵は病気・外的・環境の変化から守られ、安全に孵化するそうです。

外国では、「ひかたま=光の魂たち」と称されることもあるそうです。

ネットには、たくさんの画像が載ってます。

 

 

★ 昔話 『蛙綿の娘』 ★

 

語りの仲間・順子ばーやんが『ガエロワタの娘』を語ってくれました。全国各地に類話があります。

 

むかしあったっちゃ。

ある村に金持ちのおとっつぁんがいたと。そのうちには、きれいな娘がいたと・・。

ある日、おとっつぁんは、畦道を歩いていて、蛇が蛙を飲み込もうとしているとこに行き当たったと。

「やれやれ、かわいや。おめえの好きなもん、なんでもやるから、蛙の命ば助けておくれ」

そう言うと、蛇は「そしたら、お前さんとこの娘ば嫁にくれないか?」と言う。

おとっつぁんは、(どうせ蛇の言うことだ。守る必要はない)と軽く考えて、「よし」と答えた。

 

 

それから、何日か過ぎ、おとっつぁんの家に、姿形の良い若者が働きに来た。

そして、娘と懇ろになった。

そこへ、あのおとっつぁんが助けた蛙がやってきて、「前に命を救われたものです。あの男は、蛇の化身ですよ。娘さんは、このままだと、殺されてしまいます」と言う。

だが、娘は恋い焦がれていて、どうしようもない。

 

嫁入りの夜、蛙は「それじゃ、せめてこの蛙綿を花嫁衣装の代わりに着なされ」と、ブクブク泡を吹き出し、真っ白な薄絹のような蛙綿を娘に被せた。

 

夜、婿は娘が蛙綿をまとっているのを見て、怒り狂い、蛇の姿に戻り、力いっぱい娘を締め付けた。

だが、蛙綿が娘を守り、娘はするりと蛇の手から逃げ果せた。

 

 

そのとたん、蛙は水も滴るような立派な若者になり、太刀を振るい蛇を斬り殺した。

 

娘は、その若者の嫁さんになったんだと。そればっか。

 

(忌み嫌われる蛇さんが気の毒だの~。今日もよく来てくんなさったの~)