★ 雨の市立図書館 ★

 

 

市立図書館の特設コーナーです。今月は『こころに効く』本特集。

右側は、子どもから高齢者まで市民が推薦する本の紹介。

私のおすすめ・河野裕子歌集『あなた』は、新刊のせいもあって、予約が相次ぎ、実物はなかったです。

 

 

階段の壁。司書さんたちは、有資格者ですが、嘱託などの非正規雇用です。

でも、皆さん、頑張ってます。

 

 

夫には例によって、大活字の時代小説。大活字本も今時のがいろいろあるのに・・。

私は、語りボラの参考に昔話など。

 

★ 昔あったっちゃ(あったと・ありました) ★

 

昭和54年NHKが出版した昔話シリーズ。

大谷女子大学説話文学研究会の学生たちが、昭和48年から全国を回って昔話を調査・採話を開始。

飯山地方へは昭和49年採訪。土地の古老たちから1013話採集しました。

 

 

以前書いた山奥の人の物知らずを嘲る「秋山話」も幾つかありました。

 

『ここも日本』

秋山の人がな、あの、子ども連れて、飯山のほうへ出かけて来たんでしょう。

と、まあ、たくらんで(とんでもなく)広いから、

「ちゃちゃ(とうちゃん)、これ、日本かい」って聞いたんですな。

「馬鹿やろう。日本はこの三倍もあらあ」って言ったんですな。

 

このほか、『糸引き婿・首かけそば・長頭(ちょうず)をまわせ』などの秋山話があります。

 

『時鳥と兄弟』 

 

その、山深い秋山は、しばしば飢饉になり、食べ物に関する言い伝えが多いです。

 

昔、あったっちゃ。兄と弟と二人暮らしで、兄が盲でな、弟のほうがその、目明きでさ。目の見えない兄にうまいものをやりてえと思って一所懸命で芋の芽とか、そういう食べらんねえ物を自分で食べて、一所懸命でよく介抱してやったんだけどもな。

だけども、あの、目の見えない証拠にさ、

「おれにこんなうまい物くれるんだら、弟の方がどんなにうまい物食ってるんだろう」と思って。

そいで、ある晩に弟ば殺してしまったんだって。

見えないながら殺してしまってさ。そいで、その胃の中、手さぐりで探ってみたんだってさ。

弟の腹の中には、そんなおいしいような物はさっぱりなかったんだって。

 

そいで、ま、気の毒で、気の毒で、ただ切ない、切ないきりで、泣きとおしたら、その、目の見えない鳥になっちゃって。

鳥になってまあ、毎日毎日いくら腹あ減っても、八千八声(やこえ)鳴かなくちゃ、餌な、見つからねえんだって。そいで、

「弟(おとっと)恋し、弟恋し」と、それは一所懸命で、のどから血の出るほど鳴いて、八千八声鳴いて、やっと、ま、自分で少しくらいなら、食べ物食べられるだけになっちまったんだって。そればっか。

 

 

 

グループホームの語りには、チョットふさわしくないですね。楽しい話にしたいです。

 

今日もよく来てくんなさったねぇ。

 

❀ 昨日のブログを見てくださった方が、黄色い樹木の花は、「サンシュ」じゃなくて「トサミズキ」とメールで教えてくださいました。ありがとうございました。