73 男を見立てる技術
日本人は「見立てる」ことが得意らしい。そして、ここに男育ての極意がある!
お茶の達人が魚を入れるビクを花の器に見立てたり、安物のごはん茶碗を高価な茶器に見立てたり。
見立てる 見て選び定める。選定する。病気を診断する。といいう意味もあるけれど、今日書きたいのは、別のものになぞらえる。の意味。
例えば、奥さんが言う。
「うちの人って優しくないんです。電車の優先席に率先して座るし、老人が乗ってきても席を変わらない。荷物を持ってくれない。」
などなど。。。
私なら
「重〜い、これ持って!」ってお願いして、「ありがとう!さすが力持ち!助かった〜!」とか
「あのおばあさんのために席をとっておいてあげたのね〜優しいなあ!」とか。
要は、彼の中にある優しさを見立てちゃうの。そして、その見立ての通りに彼に接すると、あら不思議、見立てた通りになってくるの〜。
信じられないかな??
んっと、でも逆の見立てならわかるかな?
最初に書いたように、
「うちの人って優しくないんです。電車の優先席に率先して座るし、老人が乗ってきても席を変わらない。荷物を持ってくれない。」
って奥さんが思い込んで、そう見立ててるから、その通りにご主人が動く。
優しい人って見立てて、いつも「あなたって本当に優しい人ね。そう言うところ大好き」って声に出していると、優しくないことできなくなっていくの。
自分の見立てを信じて、そのように扱う。それが大事。
「やっぱり優しくないよね。そうだと思った。」
なんて、間違っても声にしないでね。本当に心から見立てることができれば、きっと伝わる。
新入社員が社長のように毎日扱われると、だんだん威厳が出てきて、社長らしい態度がとれるようになる、って聞いたことがある。
まさに、それが見立てだよね。そう扱われることでそうなる。
そういえば、渡米して1年目、むすめの反抗期、毎日怒鳴り合い最悪の日々。
でも、大人になった素敵なむすめを想像して、見立てて、誕生日に向けてのメッセージを書き続けたっけ。
「ティーンネイジャーになるあなたに伝えたい10のこと」がそれ。
母としてむすめに伝えたいことを書いて贈った。毎日バトルの日々で、母娘関係は最悪、険悪そのものだったけれど、反抗期で見えなくなっているだけ、むすめの本物を見立てた。
それはしばらくむすめの宝物になったみたいで、とっても嬉しかったなあ。
結局ね、相手を変えるというよりも、自分の相手の見方を変えることが大切なの〜。