7月29日、ファミリーで富士登山決行。

富士スバルライン5合目で軽く昼食をとり、

目指すは、8合目手前の「東洋館」という小屋。

3時間ぐらいはかかるかな、と言われ、余裕だと思っていた。

しかし、登り始めてすぐ、下の娘、

「のどがひりひりするー」

「おなかがいたいー」

「頭がいたいー」

と連発し、早くも泣きべそ状態に。

すでに高山病の兆候が出ていた。

藪本雅子のブログ その2

ゆっくり、体を適応させるしかないだろうから、ゆっくり、ゆっくりを心がけ、

とにかく、一歩ずつ、前へ。


ジグザグの砂利道、ゴロゴロした石の道、急な崖の難所を

いくつも、いくつも、気が遠くなるほどいくつも超える。

それでも、まだ着かない。


こんなに大変だったか。富士山って。


前に登ったのは、たしか、96年ぐらいだったかなあ。

その年の24時間テレビで視覚障碍を持った人が富士登山をするというので、

その盛り上げ企画で、事前に、テレビおじゃマンモスのメンバーだった

バカルディーと登ったのだ。

大竹さんは、途中で断念したっけ。

でも、大竹さんは、バンジージャンプも断念するし、突っ込みどころ満載な芸人。

富士山は、誰でもちょっと頑張れば登れる、観光登山にぴったりな山。


と、思っていた。

が、今回は、本当に、富士山はきつかった。

7合目にたどり着くまで、子供は途中で吐いちゃうし、座り込むし、

無理はさせられないが、そこに留まるわけにもいかない。

とにかく、宿へ行かねばならない。

子供も、そのことは自覚していたようで、涙をこらえて、必死の形相で前へ進んだ。

小3の上の子は、比較的余裕。

東洋館に着いた頃にはもう薄暗く、結局、6時間以上、かかったことになる。予定の倍。


登山道は、とてもきれいに整備されていて、ゴミひとつ落ちていないのが

気持ちよかった。日本人のモラルも高くなったなーと誇らしく思う。

トイレも、みんなで清潔に使おうという気持ちがあふれている。

バイオで分解させた水を使用した水洗トイレで、使用料200円を払う。

紙はくずかごに捨てるしくみだが、決して、汚らしい、という感じでなない。

宿もきれいだった。大人も子供も9500円を支払った。

5合目で買ってきた杖に要所要所で焼印をおしてもらうのも、200円。

なんだかんだで、一人1万5千円ぐらいは、かかったが、

それで、富士山をきれいに維持してもらえるのだから、高くはない。


夜の星はきれいだったなあ。


翌日、6時にスタート。

8合目まで1時間ぐらいでいけるだろうと思っていたら、

下の子がいよいよ、前に進めない。

3時間近くかかってようやくたどり着く。

このままだと、昼までに頂上に着くのは無理だ。午後からは雨の予報。

本人は、もうやめたい、という気持ちと頂上まで行きたいという気持ちと

両方あるようだった。でも、パパの判断で、ここで下山決定。


私とお姉ちゃんが頂上を目指すことに。

しかし、それまで余裕だったお姉ちゃんも、8号を過ぎると、途端に

酸素不足で前へ進めない。

少し進んでは、酸素吸入を繰り返し、本8合目へ。

もう、いや、やめる。おりる。と言い続けていたが、頂上がそこに見えている。

ここでやめるか?

ぐずぐずと、悩み、休憩をとり、しぶしぶ、頂上へアタック。

ジグザグ道の長かったこと!2時にようやくゴール!



藪本雅子のブログ その2

雲行きが怪しくなっていたので、ラーメン、うどんを食べ、お土産を

さくっと買って、早々にひきあげる。

おっと、お釜を見そびれた。ちょっと戻って、確認。


降りるのは、ラクよ!


と思っていたが、濃霧でしかも、雨も降りだし、しまいには雷も。


藪本雅子のブログ その2

下りの道も長い。近くにいたガイドさんにきけば、4時間はかかるとのこと。

下に着く頃は、日が暮れてしまう。急がないと。

気持ちは焦るが、足がもう持たない。

娘は大粒の涙をポロポロ。

何とか、励まそうと思ったが、私も、お腹がいたくなってきて、

どうにもつらくて、トイレもまだ1時間以上歩かないとないし、

二人で泣いてしまった。

でも、とにかく、歩かないと帰れないので黙々と歩いた。


そうしたら、娘が、小さい声でうたいはじめた。

「うえをむーいて、あーるこおおおう。なみだが、こぼれないよおおおに。」


一緒にうたいながら、泣けてきてしょうがなかった。

つらいときに、娘に励まされちゃって、うれしいやら、頼もしいやら。

大変だけど、一緒に富士山に来れて、よかったな。

道に迷わないように、ぎゅっと手をつなぎながら、

7合目のトイレにたどりついて、私は復活。

トイレで携帯を取り出し、パパにSOS。

パパは、6合目までダッシュでのぼってきてくれて、感動の再会を果たす。

でも、6合目からは、なだらかな道。

おんぶしてもらうこともなく、3人、手をつないで帰りましたとさ。

下の娘は、寒い車の中で一人じーっとみんなの帰りを待っていたのでした。


みんな、よく頑張ったね。おしまい。