「精神」に関心をもちはじめてから、ずいぶん経つ。

10代20代の頃の私が、ずいぶん、それで悩んだからだ。

精神病・神経症の間を何度も行ったり来たりする時期があった。

具体的に名前をつけるとすれば、

摂食障害、拒食症、過食症、対人恐怖、反社会的行動、不安症、急性ストレス障害、

まあ、こんな感じ。とにかく、生きづらいと感じることが何度もあった。


自分の精神をコントロールするために、精神にかかわる様々な本を読んだ。

きょうの出来事をやっているとき、取材で知り合った精神科の医者のもとで、

問診のお手伝いをさせてもらったりもした。

その病院は、パニック障害が専門で、何人もの患者さんの話を聞いた。


アナウンサーをやめて、記者になってから、私の生きづらい病はなおった。

それが何故か、今ではよくわかる。

要するに、私はアダルトチルドレンだったんだ、ということ。

ACの特徴は、常に不安を抱えている。依存する。自分の非を認めない。

急に激昂することがある、リストカット・・・・。

私の場合は、家族関係でそうなったというより、中学時代に芸能界にいたことで

大人の顔色をみながら、いい子を演じようとするあまり、

無意識のうちに、寂しいとか、つらいとか、そういう感情を抑圧してきた。

結果も出せなかった。敗北。

その体験が、ずっと尾を引いていた。


アナウンサーになってからも、そこを引きずっていた。

でも、記者になって、自立へのスタートを踏み出すこととなり、

いつの間にか、私のACは改善された。

さらにいえば、「女子アナ失格」(新潮社)で自分のそういう部分を曝け出したことが、

有効な治療となっていた。曝露療法というものだ。


被災地で、心のケアが大切だとさかんに言われているが、

今後、何が問題になってくるのか。

極度のストレスをうけると、人は恐怖症になる。暗所、閉所・・・。

パニック障害もひきおこしやすい。あとは、PTSD。

うつや、アルコール依存も併発する。

深刻な精神病にさせないために、何ができるのか。どう予防すればいいのか。

そんなことを知りたくて、カウンセリングの勉強をはじめた。


カウンセラーは、国家資格などないし、民間の認定団体がそれぞれ

カウンセラーの称号を授与しているに過ぎない。

私が知りたいことを教えてくれそうなところは・・・

わんさかある中で、私が決めたところ。

精神疾患の診断・統計マニュアルDSM-Ⅳに則って学び、

解剖生理学や生化学の基礎をやった上で、関係する法律的なこともおさえられる。

昨日授業に参加してきた。実に、楽しい。


断片的なこれまでの知識が美しく整理整頓されていく感じ。

カウンセラーの仕事の8割は、アダルトチルドレンだと思ってください、と。

医者は短い時間(5分!)で話を聞いて、薬の処方をする。

だけど、それじゃあ、根本的にはなにも治らない。

もっと、じっくり時間をかけなければ無理。

しんどい時は、薬をつかってもいいけれど、それと同時に、

カウンセリングで精神分析をしっかりしていったり、

認知療法をしていったりしないと、治せない。

これまでの自分の体験と重ねながら、いちいち、うなづくことばかり。


つらい、悲しい、怖い、という感情を押し殺すことが、ACのはじまり。

AC体質が強いと、いろんな病気の症状が出てくるのだ。

避難所で、無理やり明るく、笑わせることは、ほんとにいけない。

ネガティブな感情を吐き出させてあげることがこれから大事になってくる。

私に何ができるかわからないが、とにかく、専門的な知識を仕入れつつ、

考えようと思う。