郡山でレンタカーを借りて、磐越道でおよそ90キロ、いわき小名浜へ。
ここも、津波の被害に逢っている。
南極観測船がやってきていて、体験乗船のイベントを開催していた。
しかし、つい1時間ほど前、地震があったばかりで、
パトロールカーがしきりに拡声器で海岸には近づかないでと叫んでいる。
でも、誰も、その場を動こうとはしない。もう、慣れっこになっているのだろう。
漁港では、うに丼海鮮丼の垂れ幕が並んでいる。美味しそう。
でも、お昼には早いし、海岸線を北へ向かった。
通行止めの箇所があったので、少し内陸の国道6号線へ。
四倉地区の漁港には、打ち上げられた船が積み重なっている。
同じ敷地にある道の駅はボランティアや避難者の拠点になっていて、
おしゃれなアーティスト集団がサックスを吹いている。
その音がすごくその場にマッチしているようにも感じられる。
夏物の素敵なTシャツ、涼しげなお皿やグラス、
何でも好きなの持って行って、という善意の市場があり、
建物の中では、地元の野菜やお総菜を所狭しと並んでいる。
食べていって~の声につられて、お豆腐を買ってその場で食べた。
活気がある。
地元の人の負けん気と、ボランティアが支えている。なんだか、うれしかった。
少し行くと、久ノ浜という地区。津波で壊れた家の壁に落書き?
気になって、一本道を左に折れる。
すると、また。
お。素敵。やるじゃん。
でも、よく見ると、家の中は箒で掃き清められ、もしかして、改修するつもりじゃあ・・・
だったら、梁とか、柱とかにこんなにペイントしちゃって、大迷惑じゃないの?
なんて複雑な気持ちになっていたのだが、
さらに陸前浜街道(6号線)を北上して、海沿いの被害の大きかった集落に入り
わけがわかった。
これは、「がれきに花を咲かせましょう」というプロジェクトで、
芸大生などが参加して、取り壊しの決まった家の人に了承を得たうえで、
家をアートにしているのだとか。
略して「ガレハナ~」なのだった。すでに8軒、ペイント済み。
人間、疑ってばかりの自分、反省。人間ってもっと素敵だ。
壊すとわかっていても、ちゃんと掃除していくなんて、ありがとう。
久ノ浜は広範囲で家が流されていた。
一つ一つの家族の日常があったはずなのに、一瞬にして強制終了させられた。
この思いを表現する言葉を私は知らない。