京友禅千總 450年のブランド・イノベーション/長沢 伸也
¥1,890
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早稲田MBAの畏友の著書(共著)である。

本書は、千總の関係者へのインタビューから千總450年の歴史を紐解く構成となっている。
インタビューものというと兎角、著者のストーリーにあわせて
著者の意図に合わせて(都合のいいように)インタビュー内容を再構成するものが多いのだが、
本書のインタビュー部分は、まるでその現場に居合わせているような錯覚を覚えさせる。

本人に直接確認していないのだが、恐らく内容も時間的順序も殆ど手を加えていないのではないか
著者の問題意識と現場の真剣なやりとりを忠実にトレースすることで、
まるでその場に居合わせ息遣いまで感じさせるような臨場感を出すことに成功している。

終章でまとめられた経営学のフレームワークも、
著者の考え方と自分の考え方と対比するいい材料提供を行ってくれている。
ちょっと違うのでは?という点もあるが、
本を通して対話して思考の格闘技を行えるという点で面白かった。


さて、本書の中で注目すべきは、著者もあとがきで触れていたが
千總には、家訓らしきものは存在していないという15代の言葉。

時間を経ること関係者が増えることによって創業者の想いが希薄化していく、
それを繋ぎとめる「楔」となるのが家訓や経営理念であるが、
そもそも存在していない(必要性がなかった)ということは、
千總には、時間や空間を越えた縦横の濃密なコニュニケーションが存在しているということだろうか。
スゴイ会社である

今度、京都に行った際には「千總ギャラリー」に足を運んで自分の目で確かめてみたくなった。