今から思えば仙台行きは、母親も無理していたのかもしれません。

 でも、帰りの原ノ町駅の待合室で、牛タン弁当を食べながら、約1時間普通電車の乗り継ぎを待ったのは、私にとって良い思い出になりました。

(仙台に住む妹の長男に、母親と妹と一緒に会って来ました)



 仙台で1泊2日の翌9日、予約していたクリニックに行きました。


 母親は足の浮腫みの診察を受け、説明時に私も呼ばれ「お腹の肝臓が大きくなっていて、これ以上の診断は設備がないと出来ない」との話があり、翌々日の大学病院の予約と紹介状を出してくれました。

 この時点では全く何の心配もしないで、ただ大学病院で検査に行く位にしか考えていませんでした。

(4月9日クリニックの帰り道。桜を撮影する母親)



 4月11日。予約していた大学病院に行きました。


 いつも相当混んでいる大学病院なので、予め予約していても、かなり遅れて診察前に血液検査とCT検査に行く指示がありました。

 そして検査後の診察までも、更に相当待たされて、周囲の診察待ち患者がいなくなる頃になって、診察室に呼ばれました。



 診察室に入ると医師からは、「今まで気づかなかったのですか?何か症状はありませんでしたか?健診は?…」といろいろ聞かれた後に、「大腸にガンがあって、肝臓に転移している事が疑われる…」と言われました。

 そして母親は、このまま緊急入院する事になりました。

 


 あまりに急な話の展開にビックリしましたが、むしろ自ら歩いて病院に来た母親の方が、診察後の診察室から車椅子に乗せられて入院する事になり、状況に全く理解が追いついていない様子でした。



 私も突然始まった母親の入院に対し何の準備もなく、まずは入院に必要な物だけ病院の売店とコンビニで買い届けて済ませました。

 そもそも母親も、自宅から仙台旅行の為に出て来た先での急な話で、その上診察当日も入院は全く想定しておらず、最悪診察後に帰って準備して入院…位に考えていたので、入院生活に向け化粧品から下着まで、取り急ぎ買い揃える事になりました。


 還暦を過ぎてなお、知らない世界の広がりにかなり戸惑いました。