択捉島蘂取村の絵地図



昭和20年

人口は約400人


役場、郵便局、営林所、駅逓、駐在所

病院、商店、回漕店、お菓子屋、床屋

料理屋、仙台鮎川捕鯨、官営孵化場

村営燻製室。洋裁店がありました


ニワトリ、猫はほとんどの家で飼っていた


1000メートル級の山にある高山植物が村の中に

たくさんあり、広葉樹が広がる山

メイプルシロップも採れました


5月に流氷がさり

6月に千島桜が咲く


蘂取村川は択捉島で一番長い

秋になると川いっぱいに鮭が登る

オビレで弾く水飛沫は湯気のように見えた


73メートルある川幅ですが

幼児も泳いで渡る


砂丘に咲くはまなすの群生は満開になると村中

薔薇の香りに包まれる

リンドバーグの奥様は

はまなすを『ジャパンロース』と言いました

穏やかに丁寧に村人は暮らしていた


戦後まもなく村はロシア人に取られた

日本人が建てた家は、壊されて今は跡形もない

お墓参りも行けない

誰も住んでいない村になりました


せめて、叔母や曽祖父のお墓参りに行きたい

四島の島民はもう残り少ない…時間はない

78年経っても

変化がないのは辛いこと


17291人いた島民は

5千人になってしまいました


村の人の為に描いた択捉島蘂取村絵地図を使い

2世の私は、語り部をしています