蘂取村の夏

七月十五日は村祭り、短い夏のはじまりです。


八月、時々ガス(濃い霧)がやってくると、ようやく夏が来た感じがします。このガス、あっという間に村に広がると、先が見えなくなるほどの濃さ。浜にいると方向感覚を失います。

でも、海上は穏やか。マス漁も盛んになり下旬は暑くなります。

暑い日は川で泳げました。今は道東も暑い日が続きますが、当時は根室よりも暑く、最高気温が三十度近くまで上り、強い日差しで砂浜は素足では歩けないので、下駄やゴム底の靴を履いていました。

トッカリモイの裏の岩場にはハナサキガ二がいくらでもいて、棒の先につけたカギで引っかけたものです。

海が荒れた日は、子供の頭ほどある大きな水晶や磁鉄鉱が浜に打ちあがり、見つけた人は家に持ち帰り家に飾ります。

村の砂はとても白いのですが、一角だけ黒く、磁石を当てると集まる砂、砂鉄でした。

日の入りが二十一時前後だったこともあり、二十二時近くまで外がぼんやり明るい。男の子たちは親の目を盗んで外で遊んでいました。

朝、お母さん頼まれて前浜に行き、ふのり、ウニ、わかめを取ってきて朝食のおかずになります。

夏祭りが終り、盆踊りが終わるころになると、海は荒れ始めます。

下旬になると、朝晩は急に冷えます。