夫が夢に出てこない。 | 「これから」を記録するブログ

夫が夢に出てこない。

「なかなか夢に出てきてくれない」

と夫を亡くしてからあちこちで

耳にする。

 

数年前に夫を亡くした叔母も

言っていた。

「もうちょっとくらい

出てきてくれてもいいのにね」と。

 

私も満月には会いやすいという

記事を見つけてからというもの、

毎回満月の3日前から

どうかどうかと願掛けをしている。

でも前回の満月の時にかろうじて

フワッと背景と化した夫が見えた

ような気がしたけど、これはもう

執念だと思っていた。

 

そして今日なぜか夫の夢を見た。

 

私と息子と夫で駄菓子屋に行って

うまい棒を吟味して、

なだらかな下り坂をキャッキャ

言いながら自転車で

進んでいた。

 

息子が自転車に乗れるように

なってからよくある休日の風景。

 

背景などは真っ白で自転車も

サドルがめちゃくちゃ高いなど

設定はちんぷんかんぷんだったけど

とても楽しそうにしていた。

 

そしてなぜか私の実家に到着する。

 

すると、一人夫が眠ろうとする。

 

それから私の父が私に

「どうしても同じことが起きる。

ダメなんだ」と言った。

母も悲しそうにしている。

 

夫を見ると眠ってはいるのだけど

頭を抱えて痛そうにし始めた。

 

そこで私は理解した。

「あ、そうか。もう変えられないのか。

夫はやっぱりあの時と同じように

亡くなるのか」と。

 

私はこんな夢、起きよう、起きようと

頭で思う反面、夫がそばにいる

夢の中の状況とも正直離れ難くて、

夫にしがみついて

起きたくない、起きたくないと思った。

 

でも痛がる夫を見ていると

「もう痛いのはかわいそう」と

思えた。

そして、夫の手をさすりながら

ありがとうと伝えて

自分からという表現があっているか

分からないけど私は自分の意思で

目を覚ました。

 

そして久しぶりにひどく泣いた。

書いている今も涙が出る。

でもずっと覚えていたい記憶だから

記しておきたいと思った。

 

もう夫がいないことはわかってる。

夫がいないなりになんとかやろうと

思っている。それなのに、

まだまだ突きつけてくるんだな。

 

今、夫が空の上で、もう痛みから

開放されて、不安や心配からも

開放されて自由に存在してくれる

ことだけをベットの中で願った。

 

なんだよ、この夢。

と思いつつ、また夢で良いから

会いたい、とも思う。