Ferryどうも。

 

坊主が遊び先の東京から帰ってきてるんですが、旧交を温めるのに忙しくて、全く家にいませんな(笑)。朝帰りも2日くらいあるし。つくづく思うのは、大学生なんか、一緒に暮らせん!ってことすね。こっちが疲弊すること間違いないもん。ま、自分もその口でしたから、よ~く分かります。

 

 

ラストマイル」 ('24)

 塚原まゆ子 監督  新井順子 

 プロデューサー  野木亜紀子 脚本

 満島ひかり、岡田将生、ディーン・

 フジオカ、大倉孝二、酒向芳、

 宇野祥平、火野正平、阿部サダヲ

 

 新井順子x塚原あゆ子x野木亜紀子

 「アンナチュラル」「MIU404」

 などを手掛けてきた製作チームによ

 る新作。「アンナチュラル」「MI

 U404」は、登場人物たちが同一

 世界の住人である、いわゆるユニバ

 ース的なことにもなっています。

 

 大手ショッピングサイトの荷物に次ぎ

 次ぎと爆発物が仕掛けられる謎の連続

 爆破事件が発生し、巨大物流倉庫の

 センター長に着任したばかりの主人公

 が、未曽有の危機に立ち向かっていく

 様が、描かれます。

 

 <ネタバレ的>

 世界に冠たる巨大物流会社(ゾンアマ)

 をスケープゴートにした、”人間性に

 反するような働き方・働かせ方批判”

 っていう、実は硬派な社会派作家・

 野木亜紀子氏の真骨頂といったところ

 でしょうか。宇野祥平が出てますんで、

 「罪の声」もユニバースに加えてもい

 いのかもしれないですね(笑)。

 

 製作側が、分かってて確信的にやって

 いるんでアレなんですが、これって、

 要は「サンデル教授の白熱教室」っす

 よね。前記の”雇用のあるべき姿”みた

 いな部分も含めて、別に流行性のテー

 マではないけども、若干古い感じがす

 るし、誰が悪人なんだ?を、終盤まで

 引っ張る展開は、巧いといえば巧いの

 かもしれないけど、この物語としての

 終結は、結構、モヤりました。だって

 犠牲者が出てることは事実なんだもん。

 ”平和な日本”で、不特定多数の人が 

 爆弾テロの犠牲になることと、パレス

 チナの現状を同期して語られたら、言

 い難いけど、それはなんか、呑み込め

 ないです、オレは。

 このテーマに対しては、別の描き方が

 あったんではないすかねえ? 即ち、

 犯人の行動としてもっと、その行動に

 出る前に、やるべきことがあったって

 いう気がしてしまいました。

 

 ”ユニバース”に関しては、こういうの

 は”祭り感”があって好きなんですけど、

 テーマにしてることと、トーンが合っ

 てないと思いました。難しいところで

 しょうけど。そもそも彼らが出てこな

 ければならない必然性はそれほど高く

 ないですしね。大倉孝二と酒向芳の

 刑事2人組も、そういう意味でちょっ

 と、ズレてると思った。

 

 偉そうな物言いですが、この程度の

 温さだったら、テレビの特別枠でいい

 んじゃね?って思ったかな。

 あとこれは大変に失礼なもの言いにな

 りますけど、満島ひかりの、なんか

 こう、気を張ってる感じ(でも軽やか

 でしょ?わたし っていう笑みも含め

 た)が、オレ苦手なんだなあって思っ

 た。 ★

 

    ラストマイル | あらすじ・内容・スタッフ・キャスト・作品・上映情報 - 映画ナタリー

 

 

 

箱男」 ('24)

 石井岳龍 脚本、監督

 安部公房 原作  いながききよたか 

 脚本  勝本道哲 音楽

 永瀬正敏、浅野忠信、白本彩奈、

 渋川清彦、中村優子、佐藤浩市

 

 『頭から段ボール箱をかぶり、完全な

 匿名性を手にして一方的に覗き見る

 ”箱男”の謎の生態と、その箱男に魅せ

 られ、本物の箱男を目指す主人公が、

 本物を巡ってニセモノたちと繰り広げ

 る奇想天外な攻防の行方を描く』

 (allcinemaサイトより)

 

 実は上記の「ラストマイル」の30分

 後に観たんです。それだから余計に

 そう思ったのかもしれないんですが、

 「ものすごく、格好いいなあー!なん

 かとても、映画を観てる感じがするぅ

 っ!」ってなりました。

 特に序盤~前半の、音楽・音響効果み

 たいな部分が、それこそグイグイに作

 品を引っ張る、正に”ロック”な感じが

 超格好いいです。永瀬の”隈塗り”や、

 往時の文化的な香りがむんむんな台詞

 たち。画と音が加わってそれらが織り

 なすものが、笑けてくるほど格好よー

 !でした。

 

 でも何つっても、本作の最大の”発見”は、

 「葉子」(ってくるとやはり世代的に

 「ジョー」の白木葉子なんでしょうか)

 を演じた白本彩奈さんでしょー!

 どこにいたのこんな人! 容姿、そして

 声ですよねえ。喋り方というか。どこま

 で演出が入っているのか分かりませんが、

 彼女が出てると、完全に場面を支配して

 いるっていう感じが、個人的にはする

 くらい、魅了されました。永瀬正敏、

 浅野忠信、佐藤浩市を向こうに回しての

 ことだからさあ、これって凄いことだな

 あと。

 

 後半の”問答”に関しては、よく分からな

 いところありましたけど、「箱男」の

 テーマ性と、現代のネット社会は、とて

 も近似性がありますよねえ。ラスト、

 大胆な仕掛けというかオドロキがありま

 すけど、こうやって、好き勝手に、観た

 映画のことなどを吐きまくっているオレ

 こそが、「箱男」なんでは?と、これ書

 きながら思った次第です。 ★★★

 

 映画『箱男』安部公房の同名小説を実写化、主演・永瀬正敏が“ダンボールを被った箱男”に - ファッションプレス

 

 

そんじゃまたね。

チャオ。