Ferryどうも。
夏休みに入った途端に、とんでもない暑さですな。今日は走りに出てみたのですが、ヤバこれは...となり、ウォーキングに変えました。とはいえまだまだこっちはやさしい方よね(笑)。お体ご自愛ください。
「ユースフル・ゴースト」('26)
ラッチャプーム・ブンバンチャーチョ
ーク 脚本、監督
ダヴィカ・ホーン、ウィサルット・
ヒンマラット、アパシリ・ニティポン、
ワンロップ・ルンカムチャット
『最愛の妻ナットを亡くし、悲しみに
暮れるマーチ。ところがある日、ナッ
トの霊が掃除機に乗り移り、マーチの
前に戻ってくる。マーチはナットとの
再会を喜び、ふたりは再び愛を確かめ
合う。そんな中、マーチの家族が経営
する工場では、機械に乗り移った元従
業員の霊による妨害に悩まされていた
のだったが.....』(allcinemaサイト)
予告編で観て、変わった話~(笑)っ
ては思いましたけど、そこまでチェッ
クはしてなかったんですが、宇多「ア
ト6」で作家の鈴木みのりさんがゲキ
推ししてて、興味が湧き行って参りま
した。
こんなあらすじなのに(笑)本作実は、
昨年のカンヌ国際映画祭の批評家週間
でグランプリを受賞してまして、なる
ほどそれも納得な、面白い作品でした
なーっ!
日系大手企業も入って大規模な再開発
が進むタイ・バンコクでは、同時に深
刻な粉塵被害、スモッグ被害も発生し
ているらしく、そういった社会問題が
背景にあっての、亡くなった奥さんが
「掃除機(正に”ユースフル”な家電)
になって」この世に還ってくる.....
って、ふざけてますかこれ(笑)って
話なんですけど。
さにあらず。亡くなった人が、人では
ない姿で還ってきたことによって、経
済的格差、男女格差、身分格差、「家
(嫁)」など、タイ社会の様々な問題
があぶり出されて描かれるし、ここか
らの部分は本作の肝な部分だと思うの
で多くは申しませんが、タイトルにも
なっている「ユースフル」、「役に立
つ」っていうことが、どういう意味を
もってくるのかが示されていく後半が、
ものすごく面白かったんです!
タイ国の政治史についてわたくし、ほ
ぼほぼ無知なので、2010年に何が起こ
ったのか憶えなかったんですが(調べ
ました。2010年4月10日、タクシン元
首相派の市民ら10万人規模による反政
府デモに対して、国軍が投入され2000
人以上の死傷者を出した「暗黒の土曜
日」と呼ばれる事件があったとのこと。
そういえば聞いたことある)、終盤、
正にその犠牲者たちによる復讐の話に
なっていくっていうね!すごく痛快
(かどうかは人によりそうですけど)
なものになっていきます。あれ、オレ
たちのコワい映画「ニューオーダー」
('20 ミシェル・フランコ監督)を彷
彿とさせます。スカっとなる「ニュー
オーダー」(笑)。
とはいえ、あの世からこの世に還って
きてしまった霊、どうなんのよ?って
思ってますと、最終的には、ほろ苦く
も温かい、マーチの見た目がこどもっ
ぽいっていうのも相まって、ちょっと
成長する話みたいな、味わい深い着地
になり、この辺りもいいんですよねえ。
「さよならドラえもん」的な味わいと
いうかな。
あと、だいぶクイア要素が高いです。
物語上必然というよりは、社会的マイ
ノリティの、抵抗の話であることから
そうなってるんだと思いました。
.....ってエラそうなこと言ってますけ
ど実は、自転車で40分かけて行って、
昼飯食った後っていう、映画鑑賞には
悪条件下、序盤の、脱力系でユルいコ
メディな展開の途中で、少し寝ちゃっ
たんすよな(^_^;)。迷子にはならなか
ったんですけど、そこ見逃したってい
うのもあって、もっかい観に行きたい
なあと思ってます。
★★★★
「シャドウズ・エッジ」('25)
ラリー・ヤン 脚本、監督
ニコラ・エレラ 音楽
ジャッキー・チェン、チャン・ツィフ
ォン、レオン・カーフェイ、ジュン
『マカオ警察では、正体不明のサイバ
ー犯罪集団の暗躍に手を焼いていた。
そこで、一線を退いた追跡のエキスパ
ート、ホワン・ダージョンを呼び戻し、
若き精製チームの指揮を任せることに。
やがて、”影”と呼ばれる伝説の元暗殺
者が犯罪集団を率いていることを突き
とめるのだったが....』(allcinema)
アマプラで。
冒頭、「M:I」張りの、警察と犯罪
者集団のスリリングなチェイスアクシ
ョンシーンからして、思いのほかクウ
ォリティーが高くて。結構全編通して
見せ場が続く、かなりな娯楽作でした。
個人的には、ちょっと盛りすぎでは?
と感じるほどでしたが(笑)。
今どきの、ハイテクを駆使し合った、
警察vsサイバー犯罪者集団っていう
図式なのかと思わせておいて、しかし
実際にはAI的なハイテク要素は早々
に退場を余儀なくされまして、かつて
の香港映画界を支えた、ジャッキー・
チェンvsレオン・カーフェイの、本
気の闘いが、物語の縦線として最後ま
で貫かれていきます。お前ら若手では
まだまだ不十分よと言わんばかりに、
老体な筈のジャッキーの頭脳と動きの
キレ、片や、怒らすと本当に恐い人
(ジョニー・トー監督「エレクション
黒社会」は、この人の恐さゆえに話が
回っていくような作品でしたからね 笑)、
レオン・カーフェイの”キレ力”が、作品
を牽引していきます。
また横線としてそこに絡んでくる、ジ
ャッキー刑事の、殉職した元相棒の娘
の話(彼女も刑事になっていて、ふた
りがバディを組む)っていうのも、ち
ゃんと機能してていいんですよね。
ジャッキー刑事にとっては、人生の後
悔の象徴でもあるこの娘への贖罪とし
てのワンサゲンって話にもなってます
し、彼女も彼女で、”父”(ジャッキー)
の愛を受け入れて、成長していくって
話にもなってるんですよねえ。
結構、見せ場が続くアクション娯楽作
なんですけど、後ろで鳴っている劇伴
音楽が、こういう作品にしては珍しく
控えめでクラシカルな趣さえ感じるよ
うな、独特な感じになっていて、妙な
味わいにもなってましたね。担当して
いるニコラ・エレラさんは、黒沢清セ
ルフリメイクの「蛇の道」の劇伴も手
掛けている方ですね。
★★★
そんじゃまたね。
チャオ。