Ferryどうも。

 

先日『鬼の筆』読了してしまいました。いや最高。今年のベストっすね。で、あの大宅壮一ノンフィクション賞を受賞したんですってね!先日荻上チキちゃんのラジオに出てて云ってました。こういう類の本では初めてらしいです。ってかそうだよね、あんま結びつかんし。いや愛でたいです。「人間革命」のところとか、全然知らなかったんで面白かったですし(「砂の器」のあそこ繋がりで丹波御大が笑)、「幻の湖」のあらすじ、やっぱスゲえわ(笑)。

 

 

紳士は金髪がお好き」('53)

 GENTLEMEN PREFER BLONDES

 ハワード・ホークス 監督

 アニタ・ルース 原作、原作戯曲

 ジョセフ・フィールズ 原作戯曲

 チャールズ・レデラー 脚本

 マリリン・モンロー、ジェーン・

 ラッセル、チャールズ・コバーン

 

 アマプラにあったんで。

 愛に貪欲なラッセルとお金に貪欲

 なモンローのショーガールコンビ。

 パリにいい男探しの旅行に出かけ

 るも、モンローの婚約者(どこぞ

 の御曹司)の父親が手配した探偵

 も実はついてきていて...

 みたいな話。ミュージカル・コメ

 ディなんすね、これ。苦手分野で

 す。ただその部分、曲とか演出と

 かは、なんかパっとしなかったす

 かねえ。途中の、モンローが

 数多の男を従えて踊るステージン

 グは、マドンナ「マテリアル・ガ

 ール」MVまんまでした。

 

 もはや70年以上前の作品なので、

 どうのこうの言うのもアレですけ 

 ど、いわゆるミソジニーが炸裂し

 ている作品なんでしょうな。

 前記しましたように金品欲が最上

 にくるモンローのことは、相方の

 ラッセルの気風の良さも相まって

 比較されて、どう見たって悪く描

 かれてますし、モンローがティア

 ラ(冠)を色仕掛けで手に入れた

 ことに依る報復として、問答無用

 でおっぽり出すみたいなんも、著

 しく公平性を欠いていて、まあ酷

 いですし。

 とはいえここら辺は、モンローの

 強さがすげえだけどねえ

 ゲスくて恐縮なんですが、モンロ

 ーが、体の線がぴったり出るニッ

 トを着るんですが、その造形美が

 まあ!すごくて、どうしたって目

 がいっちゃいますし、中身を想像

 しちゃいますよね(^_^;)

 

 出てくる男性が、ひ弱なぼんぼん

 だったり、色ボケした金持ちじい

 さんだったり、金持ちの忠実な手

 先として動いてたり、半裸でただ

 踊ってたり(笑)。みな脇役感が

 強調されてて、女性に対してのエ

 クスキューズがされているようで

 実は、金と権力は男性が独占して

 揺るがないのが、かえって浮かび

 上がったりもします。 

 

 あと思ったんですけど、きっと

 このタイトルって、皮肉なんです

 よね。本作に登場する書割的な

 ボンクラな男性たちはみな、

 ”金髪”のモンローをpreferするん

 ですが、冷静に観れば、”黒髪”の

 ジェーン・ラッセルの方が、クレ

 バーなんですよ。全てに於いて。

 お金よりも愛、倫理的にも常に

 正しさを求める姿勢とか。ゆえに

 作中唯一人、脇目を振らずにジェ

 ーンのことだけを好きな男性が

 ちょっと主役っぽい位置にいたり

 する構造が見えたりします。

 だがしかし。そういう視点からし

 て既に、男性の女性に対するバイ

 アスが実は掛かってて、本当は

 己の欲望のみに忠実な金髪のモン

 ローを、今この時代には支持すべ

 きなんでねえの なんてことを考

 えたりもしました。 ★★1/2

 

  ザ・ブロードウェイ・ストーリー」VOL.19 『紳士は金髪がお好き』のマリリン・モンローと振付師について | SPICE -  エンタメ特化型情報メディア スパイス

 

 

 

さらば夏の光よ」 ('76)

 山根成之 監督  遠藤周作 原作

 ジェームス三木 脚本

 大野雄二 音楽

 郷ひろみ、秋吉久美子、川口厚、

 仲谷昇

 

 『宏と文平は全く対照的ながら、なぜ

 かウマが合い親友同士。そんな二人は、

 応募したバイト先で働く女性・戸田

 京子に心を奪われてしまうのだった

 が...』(allcinemaサイトより)

 

 郷ひろみは、「ムー」「ムー一族」

 ('77~'79)の前夜なんすね。山形

 なんで、基本的にTBS入ってないから

 リアルタイムでは観てないと思うんだ

 けど、特に「ムー一族」の方、樹木

 希林との「林檎殺人事件」が大好き

 で観てましたよぉ! なんか、大河

 ドラマにも出るし(「草燃える」の

 頼家役だよねたしか)、それでいて

 ベスト10でも常連のバリッバリの

 アイドルだしで、当時から他の”歌手”

 たちとは一線を画してましたよねえ。

 

 「ムー」のひろみがどうだったかは

 あまり憶えてないんですが、本作の

 ひろみ(未成年18、19才の役)は

 結構バンカラで口調が荒くて驚いた

 んですが、殆ど出ずっぱりの役なの

 に、個性が強くて且つ安心して観れ

 る演技力で、やはり特別感がある人

 なんだなあとあらためて思いました。

 

 お話の方は、「私が・棄てた・女」

 他の遠藤周作ですから、ある種の

 普遍性を湛えた、感情のひだ襞が

 豊かな、いかにも’70年代感な、

 切ない青春物語でした。

 タイトルが全てを云ってしまって

 いるんですがね(笑)。

 大野雄二が音楽なので、個人的な

 郷愁みたいなんもあるんですが、

 やっぱクウォリティー高いと思うっ

 す。間違いないとこ! ★★1/2

 

 同じ、郷ひろみx秋吉久美子x

 山根成之監督(脚本)の「突然、

 嵐のように」っていうのが観たい

 んだけど、そっちはDVDにも配信

 にもないみたいなんだよねえ。 

 

  さらば夏の光よ

 

 

そんじゃまたね。

チャオ。