Ferryどうも。

 

今日は雨だぁ。当地仙台ではここのところ、様々な”話題作”、”問題作”が封切りのタイミングです。積極的に打席に立っていこうと思ってまして、溜まらないうちに放出していきますよ。しかしとりわけ、↓の作品は、”厄介”だったかなあ(笑)。

 

 

ミッシング」 ('24)

 吉田恵輔 脚本、監督  河村光庸 

 企画  世武裕子 音楽(「空白」

 「君の膵臓をたべたい」「エゴイス

 ト」「カラオケ行こ!」他)

 石原さとみ、青木崇高、森優作、

 小野花梨、細川岳、柳憂怜、

 中村倫也

 

 『石原さとみが、失踪した最愛の娘を

 必死に探し続ける母親を演じるヒュー

 マン・ドラマ。情報提供を求めてメデ

 ィアに登場するも、マスコミ報道や

 SNSの好奇の対象として消費されてい

 く過酷な運命を描く』(allcinema)

 

 作品のキャラクターの なのか、それ

 とも石原さとみの なのか、正直分か

 らないんですが、良くも悪くも彼女が

 主導権を握っている作品で、そこが

 ダメならダメって作品だと思います。

 巷間云われているように、役者石原さ

 とみとして、ある種の”勝負”に出てき

 た作品とは思います。作品中の”絶望

 クライマックス”といえる、イタズラ

 電話で警察に駆け付ける..って場面

 は、思わず鳥肌が立つほどの鬼気迫る

 ”壊れ方”で、実際圧巻でしたしね。

 ただ、ずうっーと苛ついて、焦燥して

 いる人を、観続けなければならない

 苦しみというか。単純に観客としてね。

 それは、キッツいっすよ。パートナー

 の青木崇高は、エラいなあと思いまし

 た。最善を尽くしていたと思いますよ。

 うちがもし同じ目に遭ったとしたら、

 間違いなくこの夫婦のようなバランス

 になるべし、と思って観てました。

 100パーの共感。

 

 作品としてはだから、石原さとみの”毒”

 に、吉田恵輔作品の”毒”が、敗けてる

 感じがします。吉田恵輔作品のいつもの

 意地悪い毒っ気はあんのよ。あの”虎舞

 竜のところ”なんて、まあ結構な不謹慎

 且つ無作為の可笑しみな秀逸さだし、

 終盤、弟とふたりでの車内の場面で、

 ”Blankのヒット曲”、かけなくてもいい

 じゃん(笑)だし。でもなんかねえ、

 笑えないのよ。状況が重たすぎるし。

 石原さとみにキレられそうだし。

 石原さとみから森優作(弟役)への

 LINE、怖かったあ..四六時中ネット

 で中傷され続けると、自然とあんな感

 じの振る舞いをしちゃうってことなん

 だろうなあ。 

 

 「空白」と違って、安易に失踪の原因

 を呈示しないのは、だって出来ないし 

 ね。軽々には。でもその分、ストレス

 は溜まりますよ。誰が悪いわけでも、

 何があったのかも分からんのだしね。

 そういう意味では震災の方がまだ諦め

 がつくことなのかもねえ。

 

 石原サイドばかりだと前記しているよ

 うに、失礼な言い方になりますがこっ

 ちの気持ちが”保たない”ので、マスコ

 ミ側っていうのが出てくるんですが、

 こちらの中村倫也は、好かったですね

 え。石原さとみの苛立ち、焦燥と対を

 成すかのように、つとめて冷静に状況

 を見極めようとする姿勢、でも様々に

 ぐらんぐらんと揺れ動くところも、

 とても人間くさくて。

 中村倫也は、声がやっぱいいですよ。

 声で芝居が出来る感じがする。”ガラ

 ス戸越しの罵詈雑言”(笑)の描写も、

 好かった。彼の対局像として出てくる

 あの後輩、あいつ一回死んでほしいっ

 て思ったのはボクだけでしょうか(笑)

 。あの辺りも、吉田恵輔っぽいよなあ。

 

 ”神かくし”じゃないですけど、児の

 失踪という”現象”は、古来からあるん

 だと思います。乱暴ですが。そのとき

 に向き合う態度として、石原さとみ

 演じるこのキャラクターのそれが、

 ボクには取れない。そこまでの執着に

 自信がないというか。なので、感想

 としては、んんん...なの。

 ★★1/2

 

   ミッシング - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画 さん

 

 

そんじゃまたね。

チャオ。