Ferryどうも。
お伝えしてますように今期のドラマは、「アンチ・ヒーロー」(TBS)と「アンメット」(カンテレ)の2択しか勝たんわけですが、っていうか、他のがヒドい。TBS金10の「何とかボーダー」や、石原某の「デスなんとか」など、高評判のやつが、もう観てられませんレベルにつまんない(前記2作との相対評価な部分大)の。なのでTverザッピングしてましたら、何と!「男女七人夏物語」が上がっとりまして!
いやあーた、文字屋のバイトから深夜に帰ってそっから結局3時くらいまで観てたの、「太陽を盗んだ男」「ツイン・ピークス」の次がこれだったわ。で昨日見つけたんが第6話「隣の席」。結構重要な回で、びっくりしたんだけど結構、台詞、展開を憶えててさあ、懐かしいっていうのも勿論あるんだけど、やっぱねえ、鎌田敏夫脚本と生野慈朗演出、演者たちの演技アンサンブルが、最高頂なのよ。そりゃあ、出てる人が池上季実子だったり大竹しのぶ、奥田英二だったりするから端から巧いんだけど、現代のドラマと違って、演技の掛け合いが必須の場面は、ちゃんと長回しで撮って臨場感あるしリアルだし(台詞が被ってたりするんだけど、逆にいいのよ、全然)。何よりさあ、このときのさんまとしのぶは、誰が観ても好きになっちゃうチャームがあるのよ。別格的に。必然的に、ラブコメとしてのクウォリティーがバカ高なの。とはいえもちろん、セクシャルマイノリティーへの配慮なんて皆無だったり、どうかという場面は、ままあります。タイトルからしてそうだしね。でもやっぱ、今のドラマと比べちゃうと、足腰の鍛え方が、レベルが違う感じがしてしまいました。
「碁盤斬り」 ('24)
白石和彌 監督 加藤正人 脚本
草彅剛、清原果耶、中川大志、
奥野瑛太、音尾琢真、斎藤工、
小泉今日子、國村隼
白石和彌監督初の時代劇!ということ
で、あんま内容よく分かんないまま
行ってしまったこっちがあれだったん
ですが、何とも変な感じというか。
どうしても「孤狼の血」を無意識でも
想定してしまっていて、どんなハード
な展開を見しちくれるんのじゃき!
(笑)って、前のめりで臨んでしまっ
てたのが、ちょっと間違ってた気がし
ます。
時代劇とはいえこれ、早い話が古典
落語の定番中の定番の二席、「柳田
格之進」と「文七元結」のユニバース
話(古典落語は全部、ユニバースっち
ゃあユニバースですが)に、ちょっと
俯瞰した、批評的な視点を加えて、そ
こに座頭市系のハードな復讐劇&アク
ションを盛った みたいな作品でした。
雑に言うと。
クライマックスの、果たしてふたりの
首が斬られるのかあー のところなん
て、タイトルがそうなんだから何を
引っ張ってんの?ってなりましたし、
「柳田格之進」噺は、別名「碁盤割」
とも呼ばれている(わたしは知りませ
んでしたけど)らしいので、知ってる
人は既に大体のことは分かってしまう
ってやつでした。別にいいんですけど
何か損したような気分になりました。
正直言うと。
小泉今日子の”お庚”(吉原・佐野槌の
女将 from「文七元結」)や、國村
隼の”萬家源兵衛”(from「柳田格之
進」)は、素晴らしかったです。ぴっ
たりでした。
”白石組”の音尾琢真が演じる番頭が、
この1件で全くお咎めなしっていうの
はなあ。なんか納得いかないっすねえ。
音尾琢真だからなのかなあ。なるだけ
酷い目に遭えばいいのにって思っちゃ
いました(笑)。 ★★
「MEMORY メモリー」
('22)
マーティン・キャンベル 監督
ジェフ・ヒーラールツ 原作
ダリオ・スカーダペイン 脚本
エリク・ヴァン・ローイ、カール・
ヨース オリジナル脚本
リーアム・ニーソン、ガイ・
ピアース、モニカ・ベルッチ
今回もリーアムの役は”凄腕の
殺し屋”ですから、大きくは”壮大
な連続ドラマ”と考えてもいい気が
しますが(笑)。
マーティン・キャンベル監督。
「007/カジノ・ロワイヤル」
('06)以来あんまりぱっとしない
感じで、久々ですかね。
”羊の皮を被った狼”、子犬のような
愛くるしさが魅力の高殺人スキルの
男リーアム・ニーソンも、そうです
か、アルツハイマーにねえ。
(米国は、飲み薬治療がわりとノー
マルになってんのかしらね。携帯薬
が出てきましたよ) 直近の記憶は
失われがちだけど、「オレはこども
は殺めないんだっ!」っていう信念
は揺るがず。がゆえにクズなクライ
アントとトラブルに..という話で
した。結構ハードめな感じです。
アバンタイトルのキャラクター説明
とか前半の話の運びとか、ジャンル
映画として手慣れてて、巧いなあと。
何気なく観る分に、塩梅が丁度いい
んすよねえ(笑)。
しかしこの、クズたちの悪行。関係
者みんなが知ってる筈なのに、保身
のために放置してしまっているとこ
ろなぞは、世の中がどんどん貧しく
なっている証左のようで、ゲンナリ
します。せめて映画の中では、リー
アムの叔父貴に鉄槌を下してもらわ
んとなんないでしょうな。
ちょっと<ネタバレ>しますけど、
移民収容施設の経営者(って民営
なのか、テキサス州エルパソは?)
が、少女を食いものにしてるって
...絶望するし、なんか、あり得
そうだもんなあ...
日本でも、移民収容施設ではないけ
ど、学校や塾その他、もちろん家庭
内、権力勾配があるあらゆる場所で
こういう犯罪が現に行われてますか
らねえ.. 年端もいかない人の
人生と、己の一刻の快楽を、引き換
えに出来ると思ってる人の、気が知
れませんよ!
「連続もの」なんて言いましたが、
これまでのリーアム・ニーソン作品
と、最後違ってびっくりしました。
いよいよ終止符を?リーアム版の
「グラントリノ」的な か。
★★1/2
そんじゃまたね。
チャオ。