Ferryどうも。

 

うっかりしてると梅雨が来るので、この好天のときにと、下駄箱の靴という靴を天日干しにしてます。したらさあ、スニーカー、革靴、雨用靴、サンダルまで合わせたら、20足くらいあんのよ。わりと現役で。ニュージーランドに渡る前にヤフオクで片っ端から処分したつもりだったんだけどなあ。我、靴フェチなりを自覚しました...

 

 

辰巳」 ('24)

 小路紘史 プロデューサー、脚本、

 監督、編集  山本周平 撮影

 (「岸辺露伴 ルーヴルへ行く」

 ('23)「ケンとカズ」他)

 中垣瑛利加 特殊メイク  岡出莉菜、

 岩本裕司 音楽

 遠藤雄弥、森田想、佐藤五郎、倉本朋幸

 後藤剛範、足立智充、藤原季節

 

 『裏稼業で働く孤独なヤクザの辰巳はあ

 る日、元恋人の京子の殺害現場に遭遇す

 る。一緒にいた京子の妹・葵とともに命

 からがら逃げる辰巳だったが、最愛の

 家族を失い、復讐を誓う葵は恭子殺害の

 犯人を追う。葵に振り回されながらも

 彼女を助ける辰巳は、事件の真相に迫る

 のだったが...』(フォーラムHPより)

 

 車のナンバーから、横浜周縁が舞台なん

 だろうけど、はっきり”荒野”と言えるよ

 うな風景は出てくるし、無国籍感という

 か、米国南部あたりの、極悪、極貧な

 環境下のクライム・ノワールな雰囲気が

 むんむんで、とても好かったですよ。

 そういった”画作り”の面も素晴らしいん

 ですが、でも作品としては、役者陣の力、

 そしてそれを引き出している演出の力 

 がはっきりと物語をけん引しているって

 作品でした。昼飯後の上映回で、まあま

 あ寝てしまう条件下だったんすが、画面

 の吸引力が高くて、ずうっと、引き込ま

 れて観ました。

 辰巳を演じる遠藤雄弥、葵を演じる森田

 想(こころ)、沢村兄弟の弟の方、竜二

 を演じる倉本朋幸。この3人がほんと、

 立ってましたねえ。画面からこっちに

 出てきかねないくらいの迫力。実在感

 いうか。

 遠藤雄弥辰巳は、任侠映画における健さ

 んと「仁義なき」の広能(文太)を合せ

 たような雰囲気があってね。

 森田想さんが素晴らしかったですねえ!

 かなりな”汚れ役”な筈なのに、無垢で

 真面目で、同時に脆そうな感じが醸し出

 されていて、役に奥行きを与えていまし

 た。以前ちらっと言及しました、「ほつ

 れる」の加藤拓也氏のTVドラマ「滅相も

 無い」にも森田さん出られていて、当然 

 ながら本作とは全く違う役柄でしたけど、

 どちらも、奥に隠れたセンシティブな 

 表情が印象的でしたね。

 沢村兄弟・弟の竜二役の倉本朋幸氏は

 役者というよりは、自身の監督作もある

 くらいの演出側の方のようなんですが、

 スゴかったですね、殺気が。街のキケン

 ジンブツ。目を合せないようにしないと

 なんない人(笑)。この手の人いますよ

 ね、どの街にも。

 

 ”一家”とか”家族”のような、既に在るも

 の、予め規定されているもの からはみ

 出ようともがく、脱走する葵に感化され

 て、いい年の男(もともとの設定では

 辰巳はもっと年齢的に上だったらしいで

 すが、遠藤雄弥氏に決まったことでぐっ

 と年齢を下げたみたいなことのようです)

 もそこを目指そうとする っていう話の

 映画でした。ジョン・カサベテスの

 「グロリア」、「レオン」、あるいは

 「アジョシ」なんかとも同類の作品でし

 ょうかね。

 

 劇伴音楽のつけ方も好かったですね。

 控えめで上品な感じがしました。

 

 辰巳の、死体処理の仕事が活かされるよ

 うな何か、仕掛けみたいなのがあれば、

 もっと面白くなりそうな気もしましたけ

 どねえ。 ★★★1/2

 

   辰巳 : 作品情報 - 映画.com さん

 

 

 

 

彼女の面影」('22 アマプラ配信)

 原題 SOMEBODY I USED TO

 KNOW

 デイヴ・フランコ 脚本、監督

 アリソン・ブリー 脚本

 アリソン・ブリー、ジェイ・エリス、

 カーシー・クレモンズ

 

 デイヴ・フランコ(ジェームズ弟)

 監督2作目のようです。主演、脚本の

 アリソン・ブリーはパートナーです

 な。「プロミシング・ヤング・ウー

 マン」でキャリー・マリガンの同級

 生役で出てきてました。いわゆる

 美人キャラなんだけど、そこまでで

 もない(失礼)、ちょっと曲のある

 くらいの塩梅の役が多い方な気がし

 ます。

 

 担当番組の打ち切りが告げられ、

 失意のうちに故郷に帰省したアリー。

 初恋の相手ショーンと思い出に耽り、

 アリーは仕事優先の今の自分に疑問

 をもち始める。だがショーンは、

 実は年若い恋人キャシディとの結婚

 前夜だということが判り、アリーは

 ...という話。

 

 やけぼっくいに火が、こっちは点い

 ちゃってんのに(andキビしい現実

 には戻りたくないし..)何?!

 しかも、こんな若い娘っ子と結婚す

 るですとぉー!って、みっともない

 様を晒していくイタい系ラブコメ

 かと思いきや。

 詳細は申しませんが、かつての恋人

 と結婚しようとしている若い娘と

 話し、打ち解けていくうちにアリー

 は、キャシディーに、正にかつての

 自分の姿を重ねていき...という

 展開を見せていきます。

 やがてアリーは、ある種わだかまり

 になっていた過去の自分の決断と

 ようやく折り合いをつけて、新たに

 進み出していく。またそれと同時に、

 キャシディーの方も、葛藤を克服し

 て、真なる自分を取り戻していくの

 でしたっていう、とても気が利いて、

 今日的な、ガールズ・エンパワメン

 トな作品になってましたね。好かっ

 たっすよ。

 

 女性ふたりのエンパワな展開に比べ

 て影は薄いですが、地元愛?なのか

 両親への愛着(少し複雑な生い立ち

 もありそうで)からか生地を離れら

 れずにいる男性ショーンに、ちょっ

 と切なさを感じますが、彼も彼で、

 アリーと同じように、過去を清算し

 て、新たな自分になっていっていき

 ますし。デイヴ・フランコ&アリソ

 ン・ブリー夫婦、なかなかイイっす

 ねえ。 ★★★

 

 あ、配信のみ作だから仕方ないのか

 もしれないけど、邦題タイトル、

 テキトーすぎでしょ(笑)。

 

   Somebody I Used to Know (2023) - IMDb さん

  

 

そんじゃまたね。

チャオ。