Ferryどうも。

 

先日ちょうど、無人島に持ってく1枚はやっぱ「アヴァロン」かなあ(なんか”島”イメージだし)とか考えてたから(笑)、響きのみって...って笑えましたで。 西川美和監督作ねえ。「すばらしき」は素晴らしかったです。あのもっくんのやつ、もう一回観直してみたい気もしてます。「太陽の蓋」も観てない、未だ。北村有起哉出てんだ。わたくし数少ない”推し”役者なので、観なきゃです。「異人たちとの夏」は、観なくていいと思う。当時も、そんな面白いと思わなかったです。「蒲田行進曲」の銀ちゃ~んが出てるんで観た くらいの感じ。鶴太郎も当時から苦手だし。ただ今回の「異人たち」は、イイ映画です。 「孤高の遠吠え」もちょうど先日思い出してたの。というのも、「ケンとカズ」の小路なんとか監督が7年だか8年だかぶりに撮った「辰巳」って新作がすごく評判よくて、「ケンカズ」も当時、菊地の成孔さんが絶賛してて観たんだけど、オレそのとき、直前くらいに「孤高の遠吠え」を観てしまってて、ジャパニーズ・アンダーグラウンド世界の、いわば「本物」を観ちゃってたから、「ケンカズ」が、何だか酷く、「偽物」じゃんこれ..って思ってNO STARにしたのを想い出してたの。ケンカズはなかなか観直せないし。

 

 

 

オッペンハイマー」('24)

 クリストファー・ノーラン 製作、

 脚本、監督  エマ・ト-マス他

 製作  カイ・バード、マーティン・

 J・シャーウィン 原作  

 ホイテ・ヴァン・ホイテマ 撮影

 ルートヴィヒ・ヨーランソン 音楽

 キリアン・マーフィ、エミリー・

 ブラント、マット・デイモン、

 ロバート・ダウニー・Jr、

 フローレンス・ピュー、ジョシュ・

 ハートネット、ケイシー・アフレック、

 ラミ・マレック、ケネス・ブラナー、

 ゲイリー・オールドマン、トム・

 コンティ

 

 米国アカデミー賞 作品、監督、主演

 男優、助演男優、撮影、作曲(あと

 一個何?)賞を受賞。

 「デューン」とまた違った意味で、

 現時で可能な限りのことを尽くした

 最高の作品でした。テーマ的、また、

 撮影と編集ですよねえ、テクニック的

 にも、フェリーおっしゃる通り、圧倒

 感は「デューン」の比ではなかった。

 

 予習はナシで、「アト6」宇多評の

 知識のみで臨みました。”事柄が呈示

 されるとそれを補足するように各時代

 から話題がインデクスされて繫げて

 描写される親切設計”っていうガイド

 は、非常に助かりました(笑)。

 

 後半のストローズの策略が明かされて

 いくとこなんて凄かったなあ。

 ロバート・ダウニー・Jr自身が分析

 しているように、ストローズは「アマ

 デウス」のサリエリでしたね。羨望と

 嫉妬、ある種の歪んだ愛でもあるのか。

 アインシュタインで冒頭と最後が繋が

 る円環構造、描かれた一連の事象の

 ”源”が最後に明かされる、「市民ケー

 ン」のROSE BUD的な構造とか、

 ノーランの”映画愛”にも満ちていて、

 やられました。

 

 ノーラン作品では非常に珍しい(って

 か初か?)フローレンス・ピューとの

 ラブシーンは、少しぎこちなく感じま

 したかね(笑)。

 「何で戦わないんだ!」ってすごんで

 くるエミリー・ブラントの叱咤は、

 カミさんを観てるようで怖かったです

 (笑)。あいつ巧かったねえ。あの

 狭めえ部屋(ああいう空間設定まで

 徹底するストローズの策略!)での

 尋問会での何とかロッブ。彼は弁護士

 ?ジェイソン・クラーク。巧かった。

 ヤらしくて。

 こんだけの規模、オールスターな

 キャスティングってだけでスゴいこと

 なんだけど、それぞれがさあ、短い

 登場時間なのに、活かされてるじゃな

 い。ラミ・マレック(asフレディー・

 M)なんて使い方巧いよねえ。絶対

 アイキャッチするもん。一瞬出てきた

 だけで。「ヘレデタリー」のお兄ちゃ

 んも、ほんと短いけど出てましたね。

 ああ、ゲイリー・オールドマンの

 トルーマン。あそこだけしか出てこな

 いのに、すげえ好かった。「手を血で

 汚しただあ?戯言ほざいてんじゃねえ

 っ!責めを負うのはオレなんだよっ!」

 っていう、あの政治屋の論理ね!

 蛇足ですけど、「Winny」で弁護

 士の三浦貴大が言ってた、「殺人事件

 で、凶器を作った人を裁かないでしょ」

 っていう論理と似てるなあと思いまし

 た。

 

 フォーラムで観たのよ。画面小さめ。

 これはイカんです。デカいスクリーン

 で観直したい。でも混んでた。やっぱ

 ねえ、老い先短い人たちは、シネコン

 よりもフォーラムなの。で、アカデミ

 ー作品賞にはこぞって集まるんよねえ

 (笑)。コスパ重視で。こんだけの

 テンションのまま3時間って、大丈夫

 だったんかなあ(笑)。

 

 小さめ画面だったからか、あのロスア

 ラモスの実験に於ける爆発は、巷間

 言われているように、やっぱしょぼく

 感じました。勘違いしてるのかもしれ

 ないけど、白黒のニュース映像で、

 なんかものすごい爆風が荒野を襲う

 やつ(映像のコマ数とかの影響もある

 のかもしれないけど)観てるじゃない

 ? それと比べるとどうしても...

 って思った。(この辺り、デヴィッド

 ・リンチの「ツイン・ピークス リタ

 ーンズ」の第8話との絡み等の宇多評、

 流石でした)

 でも、日本にとって、というか人類の

 歴史にとって、正にあのロスアラモス

 実験の日が、THE DAY だった

 んだわなあ...と、ちょっと呆然と

 なりながら観てました。

 

 あと、これ、フェリーの大好物場面、

 結構あったよねえ(笑)。ドイツで既

 に何だったかが成功したらしいってな

 ったのを聞いたオッペンが、ボードに

 ダァーーっと数式を書いてって、

 「ほら、無理じゃん」っていう場面と

 かさ。あの場面最高でしたね。

 最後の最後、J.F.ケネディの名前が

 出てくるの、しびれた~! 

 ★★★★

 

 オッペンハイマー 特集: なぜこれほど絶賛? 5つの“重要な事実”から、鑑賞するか判断してほしい - 映画.com さん

 

 

 

 

インフィニティ・プール」

('24)

 ブランドン・クローネンバーグ

 脚本、監督、製作総指揮

 アレキサンダー・スカルスガルド

 (製作総指揮兼)、ミア・ゴス、

 クレオパトラ・コールマン、

 ジャリル・レスペール

 

 『高級リゾート地の孤島リ・トルカ。

 スランプ中の作家ジェームズは、裕福

 な資産家の娘である妻エムとともに

 バカンスに耽っている。ある日ジェー

 ムズは、彼の小説の大ファンだという

 女性ガビに誘われ、彼女の夫と4人で

 一緒に食事をし、意気投合した彼らは、

 観光客は行かないよう警告されていた

 敷地外へとドライブに出かけるが、

 それが悪夢の始まりだった...』

 (allcinemaサイトより)

 

 ブランドン・クローネンバーグ監督の

 前作「ポゼッサー」は、妄想好きの

 中学生が考えたようなプロットと

 人体破壊の狂暴性が合わさった奇妙な

 味わいの作品で、わたくし年間('22)

 ベストの8位に入れるほど好きな作品

 でした。

 

 <ネタバレあります>

 轢き逃げ殺人罪は、裁判を経ることな

 く、速攻で遺族が手を下す形での死刑

 となる前近代的な僻地リゾート。死刑

 を言い渡されても、相当の金額を積め

 ば、自分のクローンを作って(得体の

 知れない粘液が入ったプールに入れ込

 まれて、目覚めたらクローンが生成さ

 れているって仕組み)、そのクローン

 に代わりに刑を受けてもらえる...

 なんか、藤子不二雄の、悪夢感満載の

 SF短編作品の世界っすよねえ。

 で、演じるのが、恐らく、ルックス的

 に”世界のいい男ベスト20”には入る

 であろう、アレキサンダー・スカルス

 ガルド。彼を悪夢の世界へ誘うのが、

 「Xエックス」「パール」のミア・

 ゴス..ってこれ、どうやっても面白

 そうっすよね! なんだけども、どう

 も、いまひとつ盛り上がらなかったな

 あっていうのが、正直な感想です。

 

 前記の”システム”に馴れちゃって、

 よそ者のヒマな白人たちが、罪を犯す

 ことを何とも思わなくなっていって、

 デカダンの極みみたいになってくとか、

 死刑になったのは、本当にクローンな

 のか、自分ではなかったのか?とか、

 ネタとして面白くなりそうなんだけど、

 あんまそうならないんよねえ。

 ミア・ゴスがちょっと、五月蠅かった

 ですかね(笑)。 ★★

 

 追伸 「インフィニティ・プール」

 って、一般名詞なんだ。シンガポール

 ?とかのホテルの屋上とかの、縁が

 ないプール。infinityは無限の意味。

 知らんかったです(-_-;)

 

        Infinity Pool - Google Play の映画 さん 

 

 

そんじゃまたね。

チャオ。