Ferryどうも。

 

配信ドラマ2本、観終えました。

アマプラ「リーチャー シーズン2」シーズン2もまた、1とは違った面白さがありました。人類最強か!っていう人が正義の番人ですから。気持ちいいぐらいの勧善懲悪!痛快です。今回はでも、結構ハードな世界線ですかね。どっちか言ったらシーズン1の方が好きかな。2の”マドンナ”的なディクソンが、個人的に全く...で。1のマドンナは、好かったんすけどね。 NFX「殺人者のパラドックス」すげえです。「マスクガール」同様に、とんでもない”斜め角度”から入ってくる奇妙奇天烈な話で、”掴み”が凄いです。正に予測不能な展開で、何度も口あんぐりさせられました。韓国の映画、配信ドラマ作品の、正真正銘「最前線」といえるんではないでしょうか。とても、意欲的な作品だと思います。ただ「マスクガール」もそうでしたけど、話が畳まれていく、終結点に向かっていくに従って、どうしてもそれまでの魅力的なところが削がれていく感があって、なかなかこういうのって、着地が難しいよなあっては思います。

 

 

 

夜明けのすべて」 ('24)

 三宅唱 脚本、監督  瀬尾まい子 

 原作  和田清人 脚本  

 月永雄太 撮影  Hi'Spec 音楽

 松村北斗、上白石萌音、渋川清彦、

 芋生悠、りょう、光石研

 

 「きみの鳥はうたえる」「ケイコ

 目を澄ませて」の三宅唱監督の最新作

 なので、何をおいてもっないじで。

 でも漸く観に行けました。上映回数が

 もう、かなり減ってたんで、それなり

 には入ってる感じでしたかねえ。

 

 「きみの~」も「ケイコ」もそうでし

 たが、今回はより一層、”物語性”を欠

 いていました(笑)。ほんと、”何も

 起こらない”です。ちょっと意識しな

 いと見えないくらいの、人々の日常生

 活。でも、否、だからこそ、惹きつけ

 られてしまうというか。観てる間ずう

 っと、目が釘付けになってました。

 画として、どこを切り取ってもハイ

 クウォリティーなのですが、山添くん

 (北斗氏)が藤沢さんの家に向かう

 場面、画面右の白く溢れ出る光の中に

 自転車を漕ぎ出すところで、不覚にも

 号泣してしまいました。

 

 春樹的に言えば正に、”小確幸”の話。

 タフな現代を生きる我々へのアンセム

 なわけです。”男女の関係”ってなった

 場合の、惚れたはれたの話ではない

 (考えてみれば男女の惚れたはれた話

 は全く日常ではないし!)、”優しさ”

 についての考察とでもいうんでしょう

 か。そういう、人どうしの関係性構築

 についての話だと思います。大げさに

 言えば、これからの、人とのコミュニ

 ケーションのとり方の、スタンダード

 のひとつになって欲しい そんなとこ

 ろを描いた作品だと思いました。

 ただ同時に、描かれていることの”裏側”

 っていうのを意識せざるを得なくて、

 何か”ハンデ”がある人は、簡単に居場所

 を失う、あるいははじめから確保されて

 もいない、現時の日本社会っていうのも

 また、浮かび上がってくるわけですよね。

 

 そういう意味で、厳としてある経済格差

 について触れられていないという本作

 への批判はあるかもしれません。実際に

 山添くんも藤沢さんも、労働のスキルが

 下がってしまったわけではないのに、

 恐らく強制的に収入は減らされている

 わけでね。小確幸とそれを、相殺して

 しまっていいのか(別に本作がそう云っ

 てるわけではありませんがね)という

 問題はあると思いますけどもね。でも

 永遠に”解決”はならないことなのかも

 とも思うし。

 

 声高に社会の矛盾を叫ぶのでなく、この

 テイスト、バランスで、極めて今日的な

 テーマを作品として物してしまう三宅唱

 監督は、あらためて稀有な存在と思いま

 した。いい意味で、後に残らないという

 かな。でも観てる間は面白くて釘付け

 みたいな。

 主演のふたりは、好かったですねええ。

 北斗氏も萌音氏も、本当にこういう人で

 すよね多分 ってくらい、抜けがよかっ

 た。自分でコントロールできない容れ物

 (身体)に入れられ、もがきながらも

 折り合ってきたふたりが、恐る恐るだけ

 ど繋がっていく過程を捉えた、瑞々しさ

 が十分に伝わってきました。

 

 山添くんのかかりつけ医(内田滋さん)

 が、なんか感じ悪くいなしてた”認知行

 動療法”ですが、藤沢さんに山添くんが

 働きかけてたアレって、正に認知行動

 療法なんでは?(笑)って思いました。

 あれ、どういう意味なんだろう(笑)。

 

 ベスト10の辺りに忘れてしまいそうな

 くらいの自己主張の小さい謙虚な作品

 ですが、傑作。何なら早くも1位かも

 です。 ★★★★

 

 映画 『夜明けのすべて』 30秒予告 【2月9日(金)公開】 - YouTube さん  

 

 

そんじゃまたね。

チャオ。