Ferryどうも。

 

「GONIN」シリーズは、他の石井隆作品と比べてもなぜか、古っ!て感じがします。公開のときからそうだったんかなあ。当時松竹の奥山Pの”売り方”も巧かったんじゃないかなあ。でも永島敏行や鶴見辰吾のああいう起用は、功績があったように思います。彼らのああいう役が新鮮だったって記憶があります。

ネットフリックスが期限近いので整理中です。話題の韓国ドラマ「ソンサンー弔いの丘ー」は、何となく観ちゃってますけどぉ、んんん...そんなでもない。わたくし秘かにファンのキム・ヒョンジュさんが出てるので推したいとこですけど、なんか全体に、”こけおどし”ばっかりなんだよなあ。既視感が否めません。離脱でOKっすね。マ・ドンソクの「バッドランド・ハンターズ」も、観ないでも大体想像出来ちゃう感じだし。レナード・バーンスタインを描いた「マエストロ」も、な~んか手が伸びず。ネトフリのものではなくWOWOW?か何かの「鵜頭川村事件」っていう、松田龍平のやつは、最悪でした。ちょっと面白そうだったのに、1話の途中で止めた。似たような題材の映画「鬼太郎誕生」の方が数十倍面白い。「埼玉のラッパー」の入江悠監督なのによ。大丈夫かなあ?入江監督。

 

 

 

哀れなるものたち」 ('24)

 原題 POOR THINGS

 ヨルゴス・ランティモス 製作、監督

 アラスター・グレイ 原作

 トニー・マクナマラ 脚本

 ロビー・ライアン 撮影(「天使の

 分け前」「わたしはダニエル・ブレイ

 ク」他、ケン・ローチ作品を多く)

 イェルスキン・フェンドリックス 音楽

 エマ・ストーン(製作兼)、マーク・

 ラファロ、ウィレム・デフォー、ラミー

 ・ユセフ、ハンナ・シグラ(ライナー・

 ヴェルナー・ファスベンダー「マリア・

 ブラウンの結婚」他の)

 

 『自ら命を絶った若き女性ベラは、

 天才外科医ゴドウィン・バクスターに

 よって、胎児の脳を移植されたことで

 奇跡的に蘇生する。世界を自分の目で

 見たいという欲望に駆られたベラは、

 放浪者の弁護士ダンカンに誘われる

 まま、壮大な大陸横断の冒険に繰り出

 していく。子どもの目線で世界を見つ

 める彼女は、旅の中で平等と自由を知

 り、時代の偏見から解き放たれ、驚く

 べき成長を遂げる...』(フォーラ

 ムHPより)

 

 ヴェネツィア国際映画祭金獅子賞、

 ゴールデン・グローブの作品賞と女優

 賞を既に受賞。オスカーでも本命視の

 作品っすね。

 セックスが大きなテーマになっていて

 成人指定になってます。

 

 町山も云ってたと思いますが、往年の

 ピーター・グリーナウェイ監督x

 マイケル・ナイマン音楽 作品を

 想い出しましたね。「英国式庭園殺人

 事件」('82)「ZOO」('85)「数

 に溺れて」('88)など。ギョっとなる

 エクストリームなグロ表現?だったり、

 ポップ且つクラシカル?な衣裳、美術、

 そこに奇妙さが際立つ感じの劇伴音楽

 がかかるみたいな?(「英国」は観た

 ような記憶があるんだけどほぼ憶えて

 ない) あと、あれですね、テリー・

 ギリアムの”冒険奇譚”もの。「バロン」

 とか「バンデットQ」とかの。英国人

 の諧謔性たっぷりなブラック・コメ

 ディというか。でもその両者よりも

 ずっと、分かり易いし笑えるしで。

 ヨルゴス作品ではいちばん、愉快な

 作品だと思います。テーマ性がはっき

 りしてるからっていうのもあると思い

 ますけども。

 

 前記あらすじのように、大人の体を

 もった乳児、幼児の冒険譚になるんで、

 忖度やジョーシキ、仕来り(=POOR

 THINGS)が一切ない、単刀直入、

 明け透け、元も子もない様が描かれて

 いきます。ただこの辺りの”カルチャ

 ーギャップ”は、地域性もありますか

 ら、何がPOORで何がRICHかは、

 いち概には言えない気もしますけど。

 勿論、最大の本作のテーマである、

 「自由になること」については、

 大いに共感するとこですけどねえ。

 

 ちょっと気になったところが、やはり

 大きなテーマであるところの、セック

 スについてなんですが、性愛、じゃな

 いですね、快楽としてのセックスは、

 ”自由であること”も含めて徹底して

 描かれるものの、あんなにヤりまくっ

 てるのに、生殖としてのセックスの

 側面は、オミットされている気はしま

 した。避妊どうしてんだ?っていう。

 もちろん、ベラが過去に引き戻される

 展開で示されることになる、旧時代的

 な、生殖としてのみのセックスが、

 如何に女性に絶望感を与えてきたか

 (=POOR THING)ということは

 あるにしても。

 

 最後のシーンが印象的で。経験値と

 知識を兼ね備えた最上に賢い女性ベラ

 と、性的なパートナーの黒人女性

 (マイノリティー)、それを見つめる

 ひたすらに優しい男性、老母と幼児

 (フェリシティー)、さらに動物

 (やぎ人間)が庭園に集うっていう

 場面。これが、天国みたいだなと。

 理想郷というか。そんな風に見えま

 した。 ★★★

 

 POOR THINGS | Official Trailer | Searchlight Pictures - YouTube さん

   

 

 

 

もっと遠くへ行こう。

 ('24 AP配信) 原題 FOE

 ガース・デイヴィス 製作、脚本、監督

 イアン・リード 原作、脚本

 シアーシャ・ローナン、ポール・

 メスカル、アーロン・ピエール

 

 AmazonPrime配信作品。

 2065年の米国中西部。ヘンとジュニア

 の生活は、ある夜、ドアを叩いた見知ら

 ぬ男の驚くべき提案によって混乱に陥る。

 そして1年後...

 

 シアーシャ・ローナン(「レディ・バー

 ド」「ブルックリン」他)とポール・

 メスカル(「ノーマル・ピープル」

 「アフター・サン」)の共演なんて!

 個人的には今、もっとも観たいふたり

 なんで、ちゃんと時間をとって観ました。

 

 んんん... これはもう、多分に好み

 の問題になってしまいますが、オレこの

 手の近未来SF、大概はディストピア

 方向で、静謐な雰囲気、人間とは?

 生きるとは?を問いかける、哲学的な

 テーマ性 ってタイプの作品(基本、

 ヨーロッパ製のものが多い気がする)が

 あんま得意じゃなくて。

 で本作は正に”そのもの”で、より深~く

 掘り下げていくって作品なのねえ。

 そういうのが大好きな人にとってはだか

 ら、超お薦めな作品です。

 

 舞台設定、背景としての画に、それなり

 のお金がかかると思うんですが、的確に

 必要十分な感じで描かれてると思います

 し(南アフリカで撮影してるみたいです)

 、シアーシャとポールは、脂がのってる

 んでしょうね、巧演&熱演です。

 「アフター・サン」でもそうでしたが、

 ポール・メスカルって”メンタルが崩壊

 してしまう泣き”演技みたいなんが定評

 なんでしょうね、ここでも鬼気迫る演技

 を見せています。個人的にはちょっと

 何でもかんでもやりすぎぃって、思っ

 ちゃったかな(笑)。シアーシャは

 ちょっとだけ体躯が大きめになられてて

 、童顔とのバランスがアレな感じはした。

 

 <ネタバレ>

 ”AI複製人間”は、ありそうな未来では

 あるなと。政府の計画、複製人間の製造

 理由には、それなりの説得力があったと

 思います。

 暮らしていくうちに煮詰まる、あるいは

 変なバイアスがかかって何かを失って

 しまうといった、夫婦生活のリアル 

 みたいなテーマは、興味深かったです。

 ただ、そこまで好みじゃなかったって

 いうだけで。 ★★1/2

 

   もっと遠くへ行こう。 - 映画情報・レビュー・評価・あらすじ | Filmarks映画 さん

  

 

そんじゃまたね。

チャオ。