母、入院4日目。最後の日。(2) | ひとり娘の両親介護日記

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アラフィフひとり娘。3年間の両親自宅介護生活とその後を綴ります。

 

 お昼前に病室に到着し、母は時折声を上げたり、ハッと目を動かしたり。

つながれた機械からは時々警報みたいな嫌な音が鳴る。父もずっと横に居た

けれど、 さすがに疲れた様子。連絡していた叔父・叔母や、姉の旦那さんや

息子達(私の姉は2年前に他界)も会いにきてくれた。

 

 しばらくすると看護師さん達から痰の吸引などの処置をするので、一旦

病室から出るように言われる。お昼も過ぎていたので、病院内にあるコンビニ

でおにぎりを買い、食堂で軽く食事を取る。処置が終わりましたと声がかかり

再び病室へ。酸素マスクの種類が変わっていた。さらに酸素を送り込めるものに。

一気に母の様子が変わった感じがした。もうハッと目を動かさなくなった。

手をさすっても嫌がって振り払うこともしなくなった。

 

 どれくらい時間が過ぎたか分からなくなってくる。脈拍など表示する機械の

数値がどんどん下がって来たり、警報音が頻繁に鳴るのをぼやっと眺めたり。

父は最初のうちは目に涙を浮かべていたものの、疲れて来た様子で少し居眠り

し始める。

 

 母の呼吸をずっと眺めてみる。段々と変わってきている。一瞬動きが止まった

感じがして、私は思わず声を上げてしまったが、すぐ呼吸が始まって安心する。

でもそれからしばらくして、母の動きが静かになった。先生や看護師さん達が

病室へやって来た。あぁ、ついにこの瞬間が来たのだな、と。

 

 母、15時59分逝去。79歳。体調を崩し緊急搬送されて4日目のこと。